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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

「宙わたる教室」

2024年11月26日(火)20時、NHKドラマ10「宙(そら)わたる教室」第8回が放送されました。テレビのドラマ等はほとんど見なくなりましたが、今年は「光る君へ」だけは見ています。そして、10月8日スタートした「宙わたる教室」を見ることが、今、楽しみでしかたありません。原作も読んでみました。

原作の表紙の扉にはこんな説明が書かれています。

「東京・新宿にある都立高校の定時制に集った、さまざまな事情を抱えた生徒たち。彼らは「科学部」を結成し、「火星のクレーター」を再現する実験を始めた。煌々と明かりが灯った夜の教室で、小さな奇跡が起こる」ここに描かれていることは、実話をもとにしているそうです。


この「科学部」という言葉に惹かれて、このドラマを見始めました。私はこれまで高校の生物部、そして科学部の顧問をしてきたこともあり(今もアドバイザーをしています)、科学部がどんなふうに描かれるのか興味がありました。


私の場合、佐野高校に初任校として勤務していた際には、生物部がありましたが、2度目に赴任をした2008年には、部員不足から、すでに生物部は廃部となっていました。その年、生物に興味がある1年生数名が、生物同好会を立ち上げ、顧問をすることになりました。部はそう簡単につくれるものではなく、まず、同好会を設立し、そこでの実績がないと、部への昇格はできません。


当時、カメが身近に生息していることを知り、生物同好会の活動1年目は罠(カニかご)を使ってカメの分布調査を行いました。2年目は、カメの行動に着目し、カメに発信機を付けて、毎日、放課後、カメがどこにいるかを調査することを1年間続けました。生徒たちは当番を決めて、学校から数キロ離れた三杉川まで自転車で行き、受信機を使って、カメの居場所をピンポイントで地図上にプロットしていきます。そうすることで、1年を通して、カメがどんな行動をするかを解明していきました。


3年目の2010年5月の生徒総会で、生物同好会は、ようやく生物部へと昇格することができました。ちょうどその頃、NEWTONという科学雑誌の取材を受け、紙面を飾ることができました。

そして、研究でわかったことを学会で発表しようということになり、2010年の「日本爬虫両生類学会」でポスター発表しました。

この年は、日本学生科学賞の中央審査で、初の「入選1等」となりました。審査員の講評の最後に、「生物部への昇格、おめでとうございます」という言葉が添えられていたのが、印象的でした。


ドラマ「宙わたる教室」でも学会発表を目指しており、当時の佐野高校の生物部の生徒たちが、学会発表を目指していたことを思い出しました。現在の科学部は、高校2年生が活動の中心で、高校3年生になると実質的に引退し、受験勉強に専念するのが一般的です。しかし、当時は、あくまでも3年生が自分たちの活動の集大成として、日本学生科学賞や学会発表に取り組んでいました。ちなみに、学会発表は10月、日本学生科学賞の中央審査が12月です。今では、なんでそこまでやれたんだろうと思いますが、生徒たちの中には熱い思いが渦巻いていたことだけは、覚えています。そして、その時の部員たちの姿は、「宙わたる教室」で、定時制の科学部の生徒たちが学会発表に向けて頑張る姿と重なって見えました。


「宙わたる教室」では、おそらく最終回に学会発表が行われます。今からとても楽しみにしています。



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