5月30日(火)、足利市内を流れる「柳原用水(ヤナギワラヨウスイ)」の水質調査を高校生が行っていました。
足利大学工学部建築・土木分野の長尾昌朋教授のご指導の下、3人の高校生が「柳原用水」の源流から末端までの水質調査に取り組んでいます。
今日は、「柳原用水」の取水口から下流に向かって、全体像を観察していました。
柳原用水については、「土木学会 関東支部 栃木会」のHPで、近代土木遺産の一つとして、以下のように紹介されています。以下引用。
「柳原用水は、渡良瀬川左岸、足利市小俣地点で取水し、東に向かって流れ、旧市街本城地区を通り江川で袋川に合流する足利市最大の用水である。古くから五箇村用水、六カ村用水、柳原用水、蓮岱寺堀などの名称があるが、旧市街地では山に向かって流れているため、「さかさ川」とも呼ばれ親しまれている。
この柳原用水は、明治期から昭和10年代にかけて水車動力は撚糸や染色に利用され、足利の織物産業の発展に貢献してきた水路であり、生活の様々な面においても利用されてきた生活用水である。現在においても、景観上重要な役割を果たしている貴重な遺産といえる。」
このコンクリートの水門の地下に、渡良瀬川の方に向かって、以下の写真のような取水管が埋められているそうです。小さな穴がたくさん開いており、その穴から水が取水管の中に入っていきます。
取水管から取り込まれた水が、最初に地上に現われる場所です。
水は澄んでおり、水温も低いようです。
水は下流へと流れていきます。
しばらくすると、用水の幅が急に広がっています。ここは、太陽光によって水を温める「温水路」です。農業用水として、水田に冷たい水が入らないように、このような施設が造られたそうです。
小さな魚がたくさん泳いでいました。
途中で水をせき止めることで、ゆっくり流れるようにし、温められる時間を長くしています。これも知恵の結晶ですね。
温まった水は、また一か所に集められます。
ここで「柳原用水」は松田川と出合います。しかし、いきなりは混じり合わず、松田川の地下を水路が通っており、出口付近で松田川の水が用水に流れ込みます。
再び、地上に出てくるときは、松田川の水が混じってくるため、透明度はだいぶ下がっています。
さらに、用水は続いています。
今日は、ここまで同行させてもらいました。来週は「柳原用水」の源流から末端まで、要所要所で水を採取し、実験室で、PHやBODを測定する予定だそうです。すでに、水の採取の仕方や、PHやBODの計測などについては実習済です。長尾先生は、高校生の目線に立って、難しいことも、わかりやすく噛み砕いて教えてくれていました。
「足利の身近な川(用水)の水質がどこでどのように変わっていくのか」
これはとても楽しい課題研究です。どんな結果が出るのか興味津々です。一緒にやりたいくらいです。大学の先生のご指導の下で、こんな有意義な課題研究ができる高校生は幸せだと思いました。
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