10月10日(火)。庭のヒガンバナの「花茎」が土中から顔を出してから、「開花」するまでの約1週間の変化を毎朝7時に定点観察しました。
ヒガンバナは、気温が下がる9月中下旬になると、突然、花茎が地中から伸びてきます。
夏場の高温が花芽の形成を阻害していたのが、秋になって、気温、そして地温が低下することが引き金となって、花芽の形成が促され、花茎を伸ばすようです。
つまり、気温ではなく、地温を刺激として受け止めているので、場所によって、花茎が伸長する時期にずれが生じやすいのではないかと思います。
現在、ほとんどのヒガンバナは、すでに枯れていますが、私の家の庭のヒガンバナは、今が見頃を迎えています。
さて、「1日でどれだけ、花茎が伸びるのか」、じっくり観察してみましょう。
観察は10月2日(月)から始めました。出勤前の朝7時頃、同じ位置から写真を撮りました。比較しやすいように、同じ花茎に赤丸で印をつけました。カエルの置物(高さ約15cm)と比べてみてください。
花茎が顔を出してから、開花するまで、8日間かかりました。雨後のタケノコのように、あっという間に伸長していることが、改めてわかりました。
さて、次は10月10日(火)の写真です。見頃を迎えたヒガンバナは、妻によって刈り取られ、職場の花として飾られました。
ところで、ヒガンバナは3倍体植物ですので種子を作れません。主に、球根(鱗茎)で増えています。有性生殖(種子で殖える)を行わないにも関わらず、花を咲かせ、昆虫を呼び寄せる蜜まで作っているのかは、よくわかりません。かつて、有性生殖で種子を作っていたころの形質がそのまま残っているのかもしれません。
そう考えると、ヒガンバナの花は、自分の子孫繁栄のためには役に立ってませんが、蜜を吸う昆虫(特にアゲハ)や「暑さ寒さも彼岸まで」という季節を愛でる日本人のためには役に立っています。ヒガンバナだけに、迷いや煩悩のない悟りの境地(彼岸の境地)にあるのでしょうか。だとすれば、ヒガンバナが切り花として飾られることは、理にかなったことかもしれません。
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