2024年3月2日(土)、佐野市文化会館小ホールを会場として、佐野市生涯学習フォーラム2024「佐野楽」が行われました。奥佐野の画家安藤勇寿さんの基調講演を始め、分科会での素晴らしい発表は、まさに「見て・聞いて・話す」学びの場となっていました。
佐野市が誇る画家「安藤勇寿」氏の講演は、最初から最後まで、会場のお客さんからの質問に答える形で行われました。安藤さんのファンの方も大勢おり、たくさんの手が上がりました。その中で、印象に残ったやり取りをいくつか紹介します。
質問「安藤さんの絵にはたくさんの子どもたちが登場しますが、現代の子どもたちに何かを伝えようと書いているのですか?」
安藤さん「何かを伝えようとして書いているわけではありません。その時、自分が感じたことを書いているだけです。もし、何かを伝えようとして書いていたら、自分の書きたいものとは違ってしまうかもしれません。私の絵を見てくれた子どもたちが自分で考えて学んでくれたら嬉しいです。逆に、私は子どもたちからいろいろなことを学びたいと思っています。」
質問「今までお書きになった絵で、これが一番好き、という絵はありますか?」
安藤さん「私は、いつも自分が書きたいと思っている絵を描いているので、振り返ってみて、これが一番好き、という絵はありません。強いてあげれば、これから描きたいと思う絵が一番好きで、これまでに描いた絵はすべて同じです。自分の子どもたちに優劣をつけることはできないのと同じです。」
安藤さんらしい正直なお答えだと思いました。
2023年10月14日に、少年の日美術館の安藤さんを訪ねた記事もご覧ください。
午後は2つの分科会が行われました。お昼休みには「さのまる」も来てくれました。
こちらが、午後の部のプログラムです。
第1部 ひと 「居場所‥多世代にわたって」
(以下に紹介する写真は本人や関係者からHP掲載の了解をいただいています。)
事例発表者の一人として、佐野高校の久保田一志先生が「第3の居場所としての校内居場所カフェ」と題して、発表しました。
佐野高校・同付属中で行われている「陽だまりカフェ」の紹介や、外部の方にも協力していただきながら運営する「居場所カフェ」づくり、そして、これから目指していることを語ってくれました。
3名の登壇者の事例紹介の後、会場からの質問にも答えていました。
切実な状況の中で独自の道を切り拓いている先駆者として、ご苦労ややりがい、課題などについて、これまでの体験をもとに話してくれました。自分たちに何ができるのだろうか、と考えさせる内容でした。
司会者の話の中で、不登校の中学生が登場する映画「かがみの孤城」を紹介していました。私も興味を持ち、昨晩、動画配信サイトで見てみました。不登校の生徒から見える世界を想像しながら、居場所って何なのか、どのような意味を持っているのかを考えなければならないと思いました。
続いて、分科会の第2部が行われました。
第2部 まち 「まちの魅力発信」
事例発表では、まず、足利大学・足利短期大学の学生プロジェクト「竹あかり」からスタートしました。
発表者は、足利短期大学2年生の河内彩乃さんと久保咲玖良さんの二人です。
「竹あかり」による足利まちなかにぎわい創出をテーマに活動が紹介されました。
さらに、佐野高校のSGクラブによる2つの研究班から事例発表がありました。まず、顧問でもある松井先生から、SGクラブの活動について紹介がありました。
そしていよいよ生徒の発表です。研究の進捗状況を説明してくれました。
最初は「唐澤山城班」のプレゼンです。高校1年生4名による研究です。
唐澤山城を観光資源として、どうしたらもっとよく知ってもらえるかを深堀りし、次の一手を打つところまで来ていました。実際に、実現できたら、凄いことになると思いました。
次は、「空き家の活用」のプレゼンです。こちらも、高校1年生4名による研究です。
「空き家の活用」は、わりとよくあるテーマなのですが、まちづくりを目指している大人の専門家チーム(ぱっと二条プロジェクト)と連携し、実際に、学校のすぐ近くの空き家を活用して、「自習できるスペース=第3の居場所」を作ろうとしています。生徒が利用する際は、1回200円程度の利用料を集めるなど、持続可能な取組となるように考えている、というのはこれまでになかった発想だと思いました。次のステージに入った、と感じました。これを高校1年生がやってのけてしまうところも、「只者ではない」感が満載でした。
最期は、すべての発表者の代表が登壇し、会場からの質問に答えました。
特に、学生(大学、短大)や生徒(高校生)には、学業との両立の大変さなどが聞かれていました。素晴らしい盛り上がりのうちに、分科会は15分オーバーで終了しました。
終了後、ロビーでは主催者(実行委員会、佐野市、佐野市教育委員会)の代表から、感謝の言葉がありました。皆さん、お疲れさまでした。とても頼もしい発表でした。
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