7月16日(日)、佐野市葛生町の赤堀さん所有の田んぼで、ホタル調査を行いました。この場所には、6月中はゲンジボタル、7月に入るとヘイケボタルが乱舞しています。ヘイケボタルの中に、ヒメボタルが混じっている可能性があることから、採集して詳しく調べることにしました。
ホタル調査で採集したホタル
ホタルが飛び交う場所は、このように田んぼの脇の土水路の周囲です。写真を見ると、まだ明るいですが、実際は19時半を過ぎており、肉眼ではかなり暗いです。一眼レフの感度をISO800、絞りは開放、8秒間露出して撮影すると、このような明るさで写ります。
さらに、19時50分を過ぎると、ほぼ真っ暗になってきます。肉眼でホタルが飛ぶ姿を確認できたので、感度をISO1600、露出時間を30秒にして撮影しました。
黄色い点や軌跡が見えるでしょうか。ホタルが飛んでいる様子を表しています。
もうピークは過ぎていますが、ホタルが発生するピークの時期には、数百匹のホタルが一度に飛び交っていたそうです。
このホタルの灯を頼りに、田んぼの持ち主である赤堀さんが、大きな捕虫網で、ホタルを捕獲しています。
ホタルの入った捕虫網は、暗闇でも明るく輝いています。ホタルの捕獲に成功しました。
8時を過ぎると、雷鳴が聞こえ、雨が降り始めたので、採集を終了しました。
捕獲したホタルは、プラスチックケースに移しました。
暗くすると、たくさんのホタルが一斉に点滅しているのがよくわかります。この点滅の仕方が、ヘイケボタル、ヒメホタル、それぞれ違っているそうです。
また、形態的にも、ヒメホタルは、ヘイケボタルに比べて、目が大きい、という特徴がある、ということなので、赤堀さんが実態顕微鏡で観察しています。
確かに目が大きい個体が混じっており、ヒメホタルである可能性があることから、明日(7月17日)、私が栃木県立博物館に持参し、標本として詳しく調べてもらうことにしました。
なお、ホタルは、プラスチックケースに入れた状態でも1週間くらいは生きているそうです。夜21時過ぎ、まだ起きていた4か月児の利都くんもホタルの灯の点滅に見入っています。
しかし、利都くんがこの状況をどう感じていたのかは、知る由もありません。
<続報1>
7月17日に栃木県立博物館で会議があったので、実物を持参し、同定をお願いしました。
昆虫担当の方が不在であったため、採集したホタルを標本として提供しました。後日、鑑定結果を知らせてくれることになりました。結果がでましたら、皆さんにもお知らせします。
<続報2>
7月20日に県立博物館の昆虫担当の栗原さんからメールが届きました。それによると、採集したホタルは、すべて「ヘイケボタル」であるという鑑定結果でした。栃木県には「ヒメホタル」の記録がなかったので、ヒメホタルであることを期待していましたが、ちょっと残念な結果でした。しかし、ヘイケボタルも栃木県の「準絶滅危惧」に指定されており、これだけの個体数が生息している環境は大変貴重である、という内容でした。
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