8月29日(火)、大学構内にはケヤキやスダジイ、メタセコイヤなど、多数の大木が繁っています。そこで、どんな樹木から、どんなセミが羽化しているのか、調べてみました。
アブラゼミの抜け殻
その結果、最も多くの抜け殻が付いていたのは、開けた場所(中庭)に生えている「メタセコイヤ」の大木でした。
次は、同じく中庭に生えている「スダジイ」の古木です。
3番目は、同じく「イチョウ」です。
しかし、確認できたのは「アブラゼミ」の抜け殻ばかりです。セミの多様性はありませんでした。
ちなみに、今鳴いているのは「ツクツクホウシ」です。しかし、抜け殻は見つかりませんでした。
さらに、これだけ多くの大木が生えている割には、セミの抜け殻の数は少ないように感じました。そのせいか、この夏を通して、大学構内でセミの鳴き声がうるさいと感じたことは、あまりなかったように思います。
ところで、最近、いろいろな所で、世界中の昆虫が減っている、という話をよく聞くようになってきました。1990~2020年の30年間で、全世界で昆虫の数が75%以上減っているという報告書も出ています。日本も例外ではないと思います。
大の虫好きとして知られる養老孟司さんも「全世界の至る所で昆虫の数が8~9割減っている。食料として「昆虫食」に頼ることなどもう過去の話」と公言されています。昆虫が減少する原因はよくわかっていません。
そういう流れで見てみると、日本のセミも減少しつつあるのでしょうか。近い将来、セミが鳴かない夏がやって来るのでしょうか。(今のところ、私の知る範囲では、日本でのセミの減少を裏付けるエビデンスや議論はありません。)
PS:セミを食べる
三橋淳著「世界の食用昆虫」(1984)によると、古くから、長野・山形などあちこちでセミを食べる習慣があったそうです。「これらの地方では、翅をとったセミを熱した鉄鍋などで炒り、塩または醤油をつけたり、砂糖醤油煮、酢漬け、油いためにして食べていた。また、以前、長野県園芸試験場で、害虫駆除の目的もあり、リンゴ畑にたくさんいる幼虫の空揚げを缶詰にして売り出していた。塩味で風味はイナゴに似ていたという。」といった記述がありました。今はどうなのかわかりません。
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