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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

山桃(ヤマモモ)の赤い実

更新日:2023年6月21日

6月17日(土)、星野先生ご夫妻から、「10年以上前からあるヤマモモの木が初めての大豊作です。お近くにお越しの際は是非ご覧ください。」というメールをいただきました。


その日の14時過ぎに、ご自宅に伺いました。

果実の桃というよりも、サクランボのような小さな赤い実です。表面はでこぼこしていて、桑の実のようなイメージもあります。ヤマモモは温暖な気候を好むため、日本では西日本から沖縄の暖かな地域で育つそうです。


まずは、そのまま食べてみました。めちゃくちゃうまい、これはやみつきになる、というほどではありませんでしたが、甘酸っぱくて素朴な味がしました。星野先生からは、ジュースにしたものをいただきましたが、こちらはカフェで出してもおかしくない、上品な味わいでした。ごちそうさまでした。


ところで、ヤマモモは日本に古くから自生しており、楊梅(ヨウバイ)とも言われていたそうです。「枕草子」にも「楊梅」の記述があるということなので、調べてみました。


枕草子 第百四十七段  「見るにことなることなきものの」

見るにことなることなきものの、文字に書きてことごとしきもの。

覆盆子。鴨頭草。水茨。

蜘蛛。胡桃。文章博士。得業生。

皇太后宮権大夫。楊梅

いたどりはまいて。「虎の杖」と書きたるとか。杖なくとも、ありぬべき顔つきを。


(現代語訳)

見た目には大したことはないが、文字に書くと大げさな感じのするもの

いちご。つゆくさ。みづふぶき。

くも。くるみ。もんじゃうはかせ(大学寮に属する詩文、紀伝の教授。定員一名)。

とくごふのしゃう(大学寮の修了者から選ばれる研究生。定員二名)。

くわうたいごうぐうのごんのだいぶ(特に字面が長く大げさ)。やまもも

いたどりは特に大げさです。「虎の杖」と書くとか。虎は杖などなくても、平気な顔をしていますよ。


(以上は、『枕草子』清少納言さまからの贈り物 雅工房作品集より引用しました)



清少納言は「楊梅」という言葉からイメージするものと、実物とのギャップを面白がっています。この段は、現代でも通用するギャグのセンスに溢れていると思います。

イギリスで大ブレークした「とにかく明るい安村」の「履いてますよ」のギャグは、もし清少納言が現代で見たら、大受けしたと思います。


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