2024年2月4日(日)今日は立春です。佐野市葛生町の赤堀さん宅の庭には「福寿草」と「節分草」が開花していました。春先に花を咲かせ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす草花をスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral、春植物)といいますが、その儚さから「春の妖精」とも呼ばれています。赤堀雅人さんに案内してもらいました。
栃木県のレッドデータブックでは、両種とも「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されています。特に「節分草」は、栃木県が分布の北限にあたり、環境省の「準絶滅危惧」にも指定されています。
「福寿草」「節分草」ともにキンポウゲ科の多年草で、石灰岩質(アルカリ性)を好むことから、葛生石灰岩地帯では、古くから自生地が知られていました。
「福寿草」は、春を告げる花の代表です。「元日草」(がんじつそう)の別名を持ち、正月から福寿を呼ぶ植物として、親しまれてきました。旧暦の正月は、今年は2月10日にあたりますので、ほぼ暦どおりですね。
また、花は日光が当たると開き、日が陰ると閉じるそうです。パラボラアンテナのように花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引して受粉を果たしている、と言われています。
一方、「節分草」は、「福寿草」よりも一回り小さな花を付けています。同じキンポウゲ科なので、花の雰囲気はよく似ています。しかし「節分草」の白い花弁のように見えるものは萼片で、黄色のおしべのように見えるものが花弁です。薄紫色のものは雄蕊の葯です。色のコントラストがアクセントになっており、小さくても存在感を放っています。きっと、虫たちにもアピールしているのではないでしょうか。
昨日は「節分」でしたが、節分に合わせたように花を咲かせていました。さすが「節分草」ですね。2月中旬以降、満開になるそうです。
かつては、石灰岩質の葛生では、たくさんの自生地が見られたそうですが、園芸用に採取されることが多く、個体数が減少しています。
赤堀家では、「福寿草」や「節分草」を大切に守っています。「福寿草」と「節分草」が、ともに満開になるのは、これからだそうです。今から、その日が来るのを楽しみにしています。春先のほんの束の間だけ見ることができる儚げな花々は、確かに「春の妖精」と呼ぶのにふさわしいのかもしれません。
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