2023年4月16日(日)、この日は9地点を調査しました。産卵地の水不足のため、産卵できない環境となっている場所もありました。そんな中、こんな不思議な風景に出会いました。
水がないのに産卵しています。
おそらく、産卵した当初は水があったと思われますが、今は周囲に水はありません。
とり出してみると、卵嚢は十分に膨れていませんが、胚は正常に発生しているようでした。
その数、なんと121卵嚢ありました。これまでは、多い年でも50~60卵嚢程度でしたので、ほぼ2倍です。なぜ、この場所にこれだけの数のトウキョウサンショウウオが集まってきたのでしょうか。毎年、水が干上がってしまうこの場所になぜ? しかも、産卵数が増えていることから、繁殖は成功している可能性は高いです。
しかし、放っておけば、確実に乾燥し、卵嚢の中から孵化することは困難です。
そこで、応急的な措置として、近くの水道から、バットで水を運び、水場を作ってやることにしました。およそ30リットルの水を産卵地に流し込み、とりあえずは水の中に卵嚢が隠れるまでの状態にしました。
これだけの規模の産卵地は滅多にありませんが、水不足により絶滅の危険と隣り合わせの状態であることがわかりました。注入した水が1週間後、どうなっているか、注視していきたいと思います。
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