2024年9月10日(火)17時40分頃、三毳山の西麓にある「みかも万葉庭園」を訪れました。そこには、「秋の七草」の一つである「ハギ」が花を咲かせていました。
「みかも万葉庭園」には、梅や萩など、万葉集で詠まれている植物が植えられています。萩を求めて、ここにやってきましたが、「ミヤギノハギ」や「シロバナハギ」という園芸品種が植えられていました。
万葉集で詠まれている「秋の七草」の萩は、「ヤマハギ」の仲間(ヤマハギ亜属)の総称とされていますので、残念ながら、正確には「秋の七草」の萩とは違うようです。
萩は、繁殖力が旺盛な植物で、冬に枝を切り払っても、春にははえてくることから、「生え木」が名前の由来とされています。
ところで、「萩」は『万葉集』の中で詠まれている植物の中で、最も多く詠まれています。『万葉集』に納められている約4500首のうち、萩が詠まれている数は142首に上ります。2番目は「梅」の118首、3番目は「松」の70首と続きます。このことからも、ハギは、古くから日本人に親しまれてきた植物だといえます。
みかも万葉庭園では、「シロバナハギ」が、きれいに咲いていました。万葉種の「ヤマハギ」の花は紅紫色ですので、「ミヤギノハギ」(記事の写真)の花に近いですね。
萩は秋の花の一番人気だったわけですが、当時の人々は、萩のどこに惹かれていたのでしょう。一説によると、秋はそもそも咲いている花が少ない季節ですが、萩は10月末頃まで長く咲いていることと、萩に女性のイメージを重ねやすく、恋愛の歌の題材にされていたため、と考えられています。
ところで、秋のお彼岸には「おはぎ」が付き物ですよね。「おはぎ」は秋に花を咲かせる萩に見立てて作られたことから、この名で呼ばれるようになったと言われています。なにしろ、萩は、草かんむりに秋、と書きますから、名実ともに、秋を代表する人気ナンバーワンの花だったのでしょう。
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