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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

群響定期「二―ベルングの指輪」

2024年11月23日(土)、群馬交響楽団「第603回定期演奏会」は、注目の若手指揮者、太田弦によるワーグナーの楽劇《二―ベルングの指輪》オーケストラル・アドベンチャー、他でした。弱冠30歳の太田弦の自信に満ちた指揮に群響が見事に応えました。

高崎芸術劇場のロビーには、大きなクリスマスツリーが飾られていました。

本日のプログラムです。

1曲目:ブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲

    →ヴァイオリン/伊藤文乃(群響ソロ・コンサートマスター)

     チェロ/長瀬夏嵐(群響首席奏者)


・群響のスター奏者による競演でした。拍手に応えて、アンコールが演奏されました。「グリエール/ヴァイオリンとチェロのための8つの小品作品39から ガボット」でした。普段、一緒に演奏しているだけあって、ぴったり息の合った演奏にびっくりしました。外部のソリストだったら、ありえないアンコールだったと思います。


2曲目:ワーグナー(デ・フリーヘル編)「楽劇《二―ベルングの指輪》オーケストラル・アドベンチャー


・こちらが本日のメインディッシュでした。ワーグナーの楽劇「二―ベルングの指輪」を普通に上演すると、4夜で合計15時間かかる超大作ですが、オーケストラ用に1時間ほどに凝縮した編曲版です。とはいえ、1時間以上連続して演奏されるワーグナーの世界は、かなり濃厚でハイカロリーです。指揮者の太田弦さんは、指揮棒なしで体全体を使って曲の魅力を全開してくれました。また、この曲には、ホルンの長大なソロがでてきますが、それはそれは見事に吹ききりました。終曲後、真っ先にホルンソロに大きな拍手が送られました。

太田弦さんは指揮棒を使わないので、動きが大きく、どのように演奏したいのかが見るだけでわかりました。考えながら指揮をするのではなく、頭の中にある音楽がストレートに体の動きになって溢れ出てくるような印象でした。そこには何の迷いもなく、自信やエネルギーに満ちていて、圧巻でした。この人についていけば間違いない、という安心感も感じられました。

大きな拍手が続いていましたが、終演時間が予定時間よりも15分ほど過ぎていました。「もう時間なので」とユーモラスに観客にアピールし、お開きとなりました。


今日は、太田弦さんの指揮する群響ということで、とりわけ楽しみにしていました。想像以上に素晴らしい指揮者でした。また、群響に来てくれると嬉しいです。


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