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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

里山プロジェクト2030

更新日:2023年6月8日

6月3日(土)、佐野市葛生の「プレシーズの森」で、「里山プロジェクト2030」の一環として、田植え体験、イノシシ除けの電気柵の設置、カエル調査を実施しました。

「プレシーズの森」は、新たな世界目標となっている「30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標」の達成に向けて活動しています。


それでは「30by30目標」とは何なのでしょうか?


生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が、2022年12月にカナダのモントリオールで開催されました。そこで、「2030年までに陸と海の30%以上を保全する」という目標が採択されました。


日本では、現在、国立公園などにより、陸域の20.5%、海域の13.3%が保護地域となっています。しかし、それだけでは、陸域、海域それぞれ、30%以上達成することは困難です。そこで、民間の所有地等で、生物多様性保全に貢献している場所を環境省が「自然共生サイト」として認定することで、30%に組み込むことを考えています。


「プレシーズの森」は赤堀さんが所有する里地里山ですが、それを「プレシーズ」という企業が、生物多様性を体験できる場所として、10年も前から保全したり利用したりしてきました。そのような活動実績を踏まえ、現在、環境省の「自然共生サイト」に申請しています。


この日(6月3日)は、前日の大雨のため、一般の方の参加は中止となりましたが、里地里山保全活動の一環として、スタッフやその家族を中心として、田植え体験や電気柵の設置、カエル調査などを実施しました。



この田んぼで田植えを行います。

一方、田んぼの周囲に、イノシシ除けの電気柵を設置する作業も並行して行われました。


午前中の作業の後は、カエル調査を行いました。4チーム編成し、それぞれが担当するエリアで、どんなカエルやオタマジャクシがいるかを調査しました。


この場所は、非常に自然度が高く、たくさんのカエル(成体、幼体、オタマジャクシ、卵塊)を確認できました。

この日、確認できたカエルは以下の通りです。


<成体>

・ニホンアマガエル(一番多く捕獲されていた)

・ヌマガエル(背中線あり、背中線なし、ともに多数捕獲されていた。)

・トウキョウダルマガエル(多く捕獲されていた)


<幼体(子カエル)>

・ヤマアカガエル(手足が生え、尾が短くなりつつある個体)


<幼生(オタマジャクシ)>

・ニホンアマガエル(3班の調査地点付近に多かった)

・ヤマアカガエル(手足が生え、変態途中のものもいた)

・ヌマガエル(幼生もツチガエルと区別しにくい)

・ツチガエル(土水路などで多い。冬でも水のある土水路で越冬していた可能性あり)

・シュレーゲルアオガエル(卵塊から孵化した個体がいた可能性大)


<卵塊>

・シュレーゲルアオガエル


以上、全部で6種。


この他にも、ニホンアカガエル、アズマヒキガエル、タゴガエル、アカハライモリが、別な時期に確認されています。合わせて10種類の両生類が生息しています。



ところで、30by30目標の達成に向けて、環境省のロゴとして、以下のような「カエルの化身」が使われています。

「世の中をカエル」ことを目指しているからだそうですが、単なる語呂合わせだけでなく、多様な環境に多様な生物(カエルなど)が生息できることの象徴としての意味も大きいのではないかと思います。特にカエルは、両生類と言われるだけあって、卵や幼生は水中、幼体や成体は陸地(草地や里山)を生息場所としており、両方の環境が整っていないと生息ができません。つまり、里地里山の象徴でもあります。


「SDGs」も「30by30」も、共に2030年が到達目標ですので、この「30by30」というキーワードも覚えておくといいのではないかと思います。

当日は、とても意義のあるイベントとなりました。「プレシーズの森」が、環境省の「自然共生サイト」に登録されることを願っています。





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