2024年3月1日(金)午後、埼玉県鴻巣市の「びっくりひな祭り」を見に行きました。
メイン会場である鴻巣駅前のショッピングセンター「エルミこうのす」では、高さ約7m、31段の「日本一高いピラミッド型ひな壇」が飾られていました。
二階からロビーを見渡すと、巨大な「ピラミッド型ひな壇」の姿が圧巻でした。
これでもかと言わんばかりに雛人形が並んでいます。その数1550体。
毎年、全国から人形の供養のために送られてきた雛人形を展示しています。このメイン会場だけでは収まりきらないので、いくつかのサテライト会場でも展示しています。
会場では、「ピラミッド型ひな壇」のメイキング映像が流れていました。2005年から始まったイベントなのでノウハウは確立されており、スムーズに完成しました。(といっても早送り映像でしたが‥)オリジナルソングがメイキングに合わせて流れているため、メロディが頭から離れなくなります。
この地で製作される雛人形は「鴻巣びな」あるいは「鴻巣人形」の名称で呼ばれ、江戸時代から400年の歴史を持つ伝統工芸品です。
明治時代から大正時代は、全国各地や国外に出荷されるなど、活況を見せていました。
「明治36年の勧業博覧会での三等受賞、皇室への献上など、高度な技術と優れた品質で「鴻巣びな」の名が全国に知られるようになりました。当時の県内人形業者数は越谷6軒、大沢(現在は越谷)3軒、岩槻3軒に対し、鴻巣は31軒、職人300人という記録があることからも、その盛況ぶりがうかがえます。」人形のまち鴻巣 ひな人形 ~約四百年の歴史を誇る 鴻巣びな~ - こうのすLIFE - 鴻巣市公式ホームページ(総合政策課) (city.kounosu.saitama.jp)
しかし、第二次世界大戦の勃発によって、人形作りは衰退しました。一方、この時期から、職人が岩槻市に流れ、「岩槻人形」が台頭してきました。生産高では岩槻に大きく引き離されることとなりました。
しかし、現在も中山道沿いの人形町には人形作りに関する店舗が並び、江戸時代から続く「鴻巣びな」の伝統が脈々と受け継がれているそうです。今も皇室へ献上されています。
続いて、サテライト会場の一つである「花久の里」に行ってきました。
ここでは、16段の「ピラミッド型ひな壇」が展示されていました。
「ピラミッド型ひな壇」以外にも、さまざまなひな人形が展示されています。
まずは、ひな人形の時代的な変遷から見てみましょう。
昭和10年代のひな人形
昭和20年代のひな人形
昭和30年代のひな人形
鴻巣市では、小学生からすでに「ひな人形」への関心が高いようです。
いろいろなアレンジでひな人形が並べられています。
オリジナルひな人形が、展示のメインでもあります。こちらは「花久の里交響楽団」です。
演奏している曲は、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番です。
耳を澄ますと、実際に曲が流れています。
こちらは床屋さん「花久BARBER」です。
「野球チーム」もありました
「花久の里屋台村」です。
表情が豊かです。かなり酔っぱらっているようです。こんなひな人形は見たことありません。
「こうのす花火大会」です。ここでも弾けているひな人形がいます。
「つるし飾り」の展示がこのサテライト会場の特徴です。
ここには、ひな人形の歴史と可能性がぎっしり詰まっていました。とても見ごたえのある展示でした。ひな人形のふるさと「鴻巣びっくりひな祭り」は3月9日(土)まで開催しています。
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