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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

龍にまつわる神社⑤

更新日:3月29日

2024年2月11日(日)神奈川県箱根町にある「箱根神社」と「九頭龍神社(新宮、本宮)」を参拝しました。

「その昔、芦ノ湖に毒龍が棲み、村里を荒らしていました。箱根山で修行中の万巻上人(まんがんしょうにん)は、これを見かねて箱根大神から霊力を授かって龍を退治しました。すると、毒龍は心を入れ替え、湖水を守る九頭龍神へと姿を変えました。それからというもの、芦ノ湖は村人に多くの恵みをもたらしました。めでたし、めでたし。」

「箱根ジオミュージアム」の展示より


万巻上人が建立したのが「箱根神社」で、九頭龍神を祭っているのが「九頭龍神社」です。九頭竜神社には本宮と新宮があり、本宮は芦ノ湖の湖岸近くに建っていますが、新宮は箱根神社に隣接して建てられています。

箱根神社の公式HPから引用


<箱根神社>

これは、芦ノ湖の中に建っている「平和の鳥居」です。新型コロナの影響でしばらく立ち入り禁止になっていましたが、なんと、訪問した前日から「解禁」となり、大勢の参拝客が列をなしていました。

↓たったこれだけの写真を撮るのに、約1時間、並びました。公式HPには写真を撮るために並んでいる人たちの姿も映っていますので、ご覧ください。


箱根神社では、手水場で「龍」がお出迎えしてくれました。これで、龍への期待が高まりました。

境内は、初詣のように大変な人だかりでした。

御社殿を見上げると、龍の彫り物がありました。


<九頭龍神社の新宮>

「箱根神社」の御社殿の右手に進むと、「九頭龍神社の新宮」が見えてきます。

新宮の前には、九頭の龍の姿が並んでいます。龍の口から吐き出される水は、龍神水として自由に汲むことができます。空のペットボトルも100円で授与されています。ただし、飲むためのものではなく、自宅の神棚に納めるためのものだそうです。

こちらが、九頭龍神社の新宮です。

天上を見上げると、一面に龍が描かれていました。幅3mくらいの大きさでした。

かなり気合の入った龍がこちらを見下ろしていました。


<九頭龍神社の本宮>

九頭竜神社には本宮と新宮があります。今、参拝したのは新宮の方で、本宮は箱根神社や九頭龍神社の新宮から数キロ離れており、しかも森の中の遊歩道を歩いていくしか道はありません。今日の芦ノ湖周辺は、雪交じりの荒天でもあったので、歩くのはあきらめて、裏技を使うことにしました。芦ノ湖には、遊覧船や海賊船が就航しているので、湖上から、九頭龍神社の本宮を参拝することにしました。

湖岸では、オオバンの群れがしきりに何かを食べているようでした。


これが、海賊船ビクトリア号です。これで、約30分の船旅を楽しむことにしました。

出発してすぐに、最初に見た箱根神社の「平和の鳥居」を通過しました。鳥居の近くには、スワンボートが行き交っています。「平和の鳥居」をバックに必死に写真を撮っている人たちは、背景にスワンボートが写り込むことを嫌がっていましたが、漕いでいる人からすれば、やはり、「平和の鳥居」を目標に必死に漕いでいたんだと、この時思いました。

さらに15分くらいたつと、やはり芦ノ湖の中に、赤い鳥居が建っており、その奥に赤い御社殿が見えてきました。これぞまさしく「九頭龍神社の本宮」です。奈良時代に万巻上人が芦ノ湖で暴れている毒龍を懲らしめ、九頭龍大神として祭られたのは、この場所だったのでしょう。海賊船の上からではありますが、参拝させていただきました。

さすがにここではアクセスが悪いので、万人のために、箱根神社の隣に「九頭龍神社の新宮」が建てられたのではないかと思われます。しかし困難があればあるほど、霊験あらたかなのかもしれません。ちなみに、本宮からは恋のパワーがいただけると、女性に大人気だそうです。


こうして、「箱根神社」と「九頭龍神社」の両社参拝を果たすことができました。

この地に伝わる龍伝説は、最初は「毒龍」だったのが、改心し「九頭龍大神」と大変身しました。そして、その霊験は恋を成就させることに特化しています。そこまで変わるのってあり?と思いましたが、それで人々が幸せになれば龍も本望なのではないかと思い直しました。

箱根細工の「龍」です。一つ一つ手作りだそうです。


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