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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

龍にまつわる神社⑥

更新日:3月29日

2024年3月14日(木)埼玉県秩父郡にある「宝登山神社」、「秩父神社」、「秩父今宮神社」を参拝しました。まずは、長瀞町の「宝登山神社」を紹介します。


佐野から埼玉県の秩父まで、一般道を使うと車で約2時間半かかります。まず、秩父郡長瀞町にある「宝登山神社(ほどさんじんじゃ)」を参拝しました。


宝登山神社は、今からおよそ1900年前に創立されました。「日本書紀」の中で、日本武尊(やまとたけるのみこと)とその軍勢が東国地方平定の折、宝登山に登って神霊を拝したとされています。


日本武尊の一隊が、宝登山の頂上に向かって登り始めると、山火事が起こりました。一隊は火の渦に巻き込まれ、危うくなったその時、たくさんの白犬、黒犬が現れ、火を消し止めてくれました。一緒に頂上に着くと、犬たちの姿は消えてしまいました。あの犬たちは「神のお使い」に違いない、と心から御礼をし、この山を「火止山(ほどさん)」と名づけ、神武天皇、山の神、火の神の三柱をお祀りになりました。



現在の御社殿は、明治初頭に造り替えられました。


拝殿の正面には、見事な龍の彫り物が施されています。近年まで彩色が剥落したままでしたが、2009年に鎮座1900年記念として復元。 鮮やかな姿が甦りました。

寶登山神社では、龍神や龍に関わる縁起などはありませんが、拝殿を彩る数多くの彫刻の一つとして、龍が正面に掘られたのではないかと思います。これだけの龍づくしはお見事です。


正面だけでなく、御社殿の壁という壁には、さまざまな彫刻が施されていました。彫り師が思う存分に腕を振るい、参拝客の目を楽しませるという関係性が、見事に実を結んだのかもしれません。


日本武尊の一群が頂上を目指した宝登山には、現在は「ロープウェイ」で登ることができます。往復で1200円。

頂上までは5分で到着しました。

宝登山山頂駅です。


山頂からは、正面に「武甲山」の姿が見えました。

武甲山は、かつて石灰岩の採掘が行われていたことから、山肌には採掘の跡が残っています。秩父の人たちにとって、「武甲山」は特別な山のようです。

山頂付近の公園では、梅やロウバイが満開でした。

ロープウェイからは長瀞町が一望できます。

こうして、最初の参拝地である「宝登山」は、まさかのロープウェイまで備えた観光スポットとなっていました。おそらく、桜の季節には大変な人波が押し寄せるのではないかと思います。

秩父での龍をめぐる探索の旅は、観光の旅となりました。

(続く)



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