2024年3月14日(木)埼玉県秩父郡にある「宝登山神社」、「秩父神社」、「秩父今宮神社」を参拝しました。今回は、秩父市内の「秩父神社」と「秩父今宮神社」を紹介します。
秩父市内では「武甲山」がすぐ目の前にそびえています。石灰岩の採掘跡が整然と残っており、葛生の採石場のような雰囲気が漂っていました。
ところで、「武甲山」と言えば、秩父市内に本店がある武甲酒造の地酒「武甲正宗」が有名です。秩父に行ったら、武甲酒造の本店に行こうと決めていました。
創業は江戸時代の宝暦3(1753)年、今から271年前の老舗です。ちなみに、佐野市の「第一酒造」の創業は1673年ですので、今から351年前になります。店主も第一酒造や社長のことは良くご存じのようでした。
店主に「武甲正宗」を買いに来たと伝えると、うちにあるのは全部「武甲正宗」だと言われました。どういう酒が飲みたいかでピッタリのお酒を推薦してくれるそうですが、まずは、「武甲正宗」がどんなお酒なのかが知りたかったので、店頭に並んでいた売れ筋の「春の新酒」2本を購入しました。
これで、秩父に来た目的の半分くらいは達成した気分になりました。
いや、気を取り直して「秩父神社」に向かいましょう。
秩父神社の創建は、西暦何年とはっきりしているわけではありません。平安初期の典籍によれば、崇神天皇の御代に始まったとされています。と言われても、何年前のことかはわかりませんが‥。
社殿は戦国時代の兵火によって焼失したものを、天正20(1592)年に徳川家康が再建させたそうです。極彩色に彩られた数多くの彫刻陣に覆われた豪華な造りとなっており、埼玉県の重要文化財に指定されています。
本殿の右側には、名工として知られる「左甚五郎」作とされる「つなぎの龍」の彫刻を見ることができます。
その昔、夜な夜な近くの池に龍が現れたため、彫り物の龍を鎖で繋ぎ止めたところ、龍が現れなくなったという不思議な伝説が伝わっています。「つなぎの龍」をよく見ると、確かに黒っぽい鎖で繋がれているのがわかります。左甚五郎作といわれる彫り物は「つなぎの龍」だけです。
他にも、「北辰の梟(ほくしんのふくろう)」といわれる彫刻もあります。体は南側を向いていますが、頭は真北を向いています。北辰とは北極星のことです。思慮深く昼夜を問わずご祭神をお守りしています。
日光東照宮では「見ざる・言わざる・聞かざる」とされる三猿に対して、秩父神社では「よく見て・よく聞いて・よく話す」という真逆の「お元気三猿」が彫られています。
秩父神社の彫り物では、「つなぎの龍」「北辰の梟」「お元気三猿」が有名ですが、社殿の周囲は、様々な彫り物で埋め尽くされています。参拝客を見て楽しませることも大事な要素だったのかもしれません。
最後は「秩父今泉神社」を参拝しました。
「宝登山神社」や「秩父神社」に比べると、こじんまりしています。しかし、明らかに「龍神様」が祀られているところが特徴です。手水場でも、龍がアヒルと戯れています。
ところで、龍神様が祀られるには「三つの条件」があるそうです。一つ目は「霊山があること」。秩父では武甲山です。二つ目は「近くに洞があること」大ケヤキの樹洞があります。三つめは「湧き水があること」です。今宮神社はこの三つの条件が揃っていたので八大龍王といわれる神格の高い龍神様が祀られているとのことです。
条件1 霊山(武甲山)
条件2 樹木の洞(龍神木:大ケヤキ)
条件3 湧き水(清龍の滝、龍神池)
こうして、秩父で龍にまつわる神社を巡る旅は終わりに近づきました。
三社の御朱印です。それぞれ、あまり飾りっけはありません。シンプルさで王道を行く感じです。
最後は、秩父名物「わらじかつ丼」です。2枚のせで1300円は、かなり安いです。平日とはいえ、店は多くのお客さんでいっぱいでした。
かなりの量はありましたが、不思議と胃にもたれません。さすがに三社を参拝したこともあって、霊験あらたかだったのかもしれません。
とても有意義な秩父の旅でした。
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