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​身近な風景

田植え&カエル調査 2025

  • 執筆者の写真: tokyosalamander
    tokyosalamander
  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

2025年5月18日(日)、佐野市長坂町(葛生)にある「びしょうの森」で、「田植え&カエル調査」が行われました。

(↑撮影者:今浦友喜さん)


びしょうの森(モリ田守センター)は、2023年に環境省から、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域として、「自然共生サイト」に認定されました。


美松堂および協力会社の支援活動により、「びしょうの森」では、米づくりや里山での学習、生き物調査などの「ネイチャー・ポジティブ」な活動を体験することができます。


今回は、「びしょうの森」の里地里山保全活動の一環として、「田植え&カエル生態調査」が行われました。東京都内から50名以上が参加しました。


モリ田守センターの赤堀雅人センター長から、今日一日の流れと「田植え」に関する説明がありました。


スタッフによる、田植え用の靴下が脱げない紐の縛り方などの実演もありました。


いよいよ田植えが始まります。赤堀センター長から田植えの仕方について、説明がありました。

今回のイベントでは、宇都宮大学の「林業女子会@栃木」のメンバー4名が前日からサポートしてくれています。(ちなみに、女子会といっても、男子も所属しています。)

皆さん、思い思いに田植えを楽しんでいました。


その頃、別のスタッフたちによって、昼食(郷土料理「耳うどん」、冷や汁、焼きそば、焼肉など)の準備が進んでいました。美味しそうな匂いが漂っています。


昼食では、モリ田守センターの赤堀幸代さんによって、料理の説明がありました。

約1時間の昼食タイムで、参加者のお腹は満たされました。


次は、私たち「栃木両生爬虫類の会」の出番です。

「カエルの生態調査」です。

「モリ田守センター」には、たくさんの田んぼがあります。


しかし、田んぼに水を入れた時期はそれぞれ違います。早くから水が入った田んぼ(田1)には、早くからカエルが産卵し、幼生(オタマジャクシ)が成長しています。一方、水を入れて間もない田んぼ(田2・3)には、これから産卵する成体がたくさん集まっています。さらに、水の入っていない田んぼ(田4・8)は、カエルの成体などが普段生活している場所でもあります。このように、田んぼの環境によって、観察できるカエルの種類などは違っています。


今回のカエル調査は、環境の異なる田んぼでは、どんなカエルが見つかるかをテーマにしました。参加者を4班に分け、班長や記録係、採集係など、役割を分担しました。


周囲からは、シュレーゲルアオガエルやトウキョウダルマガエルの大合唱が聞こえています。自然度の高い環境であることが、それだけでも伝わってきます。

シュレーゲルアオガエルやトウキョウダルマガエルの珍しい卵塊なども観察することができました。

正味約30分間という調査時間は、あっという間に終わりました。


各班の班長は、自分たちが捕まえたカエル(成体や幼生)などについて、それぞれ発表してくれました。ちなみに、各班が捕まえたカエルは以下の通りです。(もちろん、調査終了後にすべてリリースしました)


<1班>

・ニホンアカガエル(成体1)

・トウキョウダルマガエル(成体1)

・トウキョウダルマガエル(卵塊)

・シュレーゲルアオガエル(卵塊)


<2班>

・ヒガシニホンアマガエル(成体4)

・ヌマガエル(成体4)

・シュレーゲルアオガエル(成体1)


<3班>

・ヌマガエル(成体7)

・ニホンアカガエル(幼生30)

・シュレーゲルアオガエル(幼生1)


<4班>

・ヒガシニホンアマガエル(成体3)

・ヌマガエル(成体3)

・ニホンアカガエル(幼生40)

・シュレーゲルアオガエル(幼生1)


班長の発表を受け、「栃木両生爬虫類の会」の中島さんが今回確認できた両生類と爬虫類について、補足説明しました。

今回は、事前の調査でアカハライモリも見つかりました。また、捕まえたシュレーゲルアオガエルのオスが、ヒガシニホンアマガエルのメスに、間違って包接(抱きつき行動)している様子も観察できました。なお、従来の二ホンアマガエルは、種が細分化され、栃木県に生息している種は、ヒガシニホンアマガエルになりました。

(↑下の個体:ヒガシニホンアマガエルのメス、上の個体:シュレーゲルアオガエルのオス)


午前中には、放置されていたトタン板の下でヤマカガシの幼体が見つけました。ヤマカガシは毒を持っていますので、ヘビにくわしい中島さんが、安全に配慮しながら見せてくれました。

カエルなどの生態調査では、大勢が参加することで、少人数では見過ごしてしまうようなことを発見することができたりします。また、どんなカエルが多く生息しているかなどを実感することができます。


生物多様性を五感で「学ぶ・感じる・楽しむ!」は、里地里山の保全を考える出発点でもあります。今回参加された皆さんが、興味を持ち、夢中になって、カエル調査を楽しんでくれたことをとても嬉しく思います。


最後に、恒例のドローンによる記念撮影が行われました。撮影者は今浦友喜さんです。上空から、田植えをした田んぼも見えています。きれいに植えられた苗が心地よいです。


「田植え&カエル調査」に参加された皆様、そして前日から準備をされてきたスタッフの皆様、お疲れさまでした。今回も素晴らしい体験となりました。


稲刈りの時期(9月中旬頃)に、また皆様にお会いできることを楽しみにしています。


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