7月1日(土)16時、フォーラムの会場から、バスで約30分移動し、「中田の棚田」に到着しました。これから約2時間のエクスカーション(野外観察会)が始まります。ここに生息している動物たちを観察します。
中田の棚田は、600年前の書物に記録が残っている棚田です。しかし、年々、耕作放棄地となっていましたが、2019年から「棚田で人をつなぐ、棚田が時代(とき)をつなぐ」を合言葉に、棚田の再生活動が始まりました。
再生した田んぼでは、無農薬・無肥料の自然栽培による米作りが行われています。
雨模様の中、「中田の棚田」再生プロジェクトのメンバーの案内で、棚田の中に入っていきました。
みなさん、折り紙付きの「生き物好き」ばかりですので、すぐに「生き物センサー」が反応します。
まずは、道を横切る「サワガニ」に目を引かれました。
道路の側溝を覗き込んでいます。何がいるのでしょうか?
アカハライモリです。2匹いました。
ここでは、アカハライモリは、特に珍しい生き物ではなく、田んぼの周辺で普通に見かける生き物のようです。
しかし、今日の「初イモリ」に、みんなのテンションは一気に上がりました。
棚田は田植えが済んでおり、田んぼとして、見事に蘇っていました。
そして、いよいよ、田んぼの中へと入っていきます。
泥で足元がぬかっている中、誰も躊躇せず、奥へ奥へと入っていきます。
田んぼの中に見える黒いつぶつぶは、全部オタマジャクシです。大量のオタマジャクシが生息しています。
この中には、トノサマガエル、シュレーゲルアオガエル、アマガエルのオタマジャクシが共存しています。ここには、栃木県ではおなじみのトウキョウダルマガエルは分布していません。
オタマジャクシを見ていると、突然アカハライモリがどこからか現れ、目の前を横切っていきました。当たり前のように、田んぼの中を歩いている様子に、ああここは和歌山県なんだな、栃木県とは違うな、と感動しました。
さらに感動の追い打ちをかける生き物が見つかりました。変態上陸したばかりのアカハライモリです。幼生ではありません。
元気に歩いています。思いのほか、歩く速度は速いです。
腹側を見てみると、小さくても赤いです。まさにアカハライモリです。
こうして、夢のような2時間はあっという間に過ぎていきました。
駐車所への帰り道、白いホタルブクロが、雨露に濡れていました。今はなかなか見ることがありません。何十年か昔に、タイムスリップしたような気がしました。
「中田の棚田」は、普段見かける風景とは違っており、そこに住んでいる生き物たちも違っていました。他の土地の風景を見ることで、自分たちの身近な風景を再認識することができました。とても楽しい体験でした。
<次は、夜の「ライトトラップ」です。>
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