オーケストラ・ウィーク①
2026年9月19日(土)、オーケストラ・ウィークの初日、高崎芸術劇場で「群響✖アンサンブル・ウィーン=ベルリン モーツァルト協奏曲の饗宴」を聴いてきました。

アンサンブル・ウィーン=ベルリンは、ウィーンとベルリンを代表するオーケストラの名手5人による世界屈指の木管アンサンブルです。
写真の左から
クラリネット:ゲラルト・パッヒンガー(ウィーン交響楽団首席)
ホルン:シュテファン・ドール(ベルリン・フィル首席)
オーボエ:ジョナサン・ケリー(ベルリン・フィル首席)
ファゴット:リヒャルト・ガラー(ウィーン交響楽団首席)
フルート:カール=ハインツ・シュッツ(ウィーン・フィル首席)
まさに錚々(そうそう)たる顔ぶれですね。
今日の群響公演では、5人がそれぞれフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの独奏を務め、モーツァルトの5つの協奏曲を披露しました。

プログラムは
オーボエ協奏曲
フルート協奏曲
ホルン協奏曲
《休憩》
ファゴット協奏曲
クラリネット協奏曲
最後のクラリネット協奏曲は、フルートのカール=ハインツ・シュッツが指揮者を務めましたが、それ以外の曲は、すべて独奏者が指揮を兼ねていました。
それぞれの独奏者は、この協奏曲を何度となく演奏しているはずです。
体の隅々に沁み込んでいる曲の魅力が惜しげもなく披露されました。
演奏の聞かせどころや間の取り方など、これが名手の実力なんだなあと感心しました。
演奏時間は、前半、後半ともに1時間。
変化に富んだ充実したコンサートでした。

終曲のクラリネット協奏曲を演奏したゲラルト・パッヒンガーと、指揮者(左端)のカール=ハインツ・シュッツです。

ウィーン交響楽団首席のクラリネット、そして、ウィーン・フィル首席フルートの指揮による群響との演奏は、他の4曲とはやはり別格でした。メリハリをしっかりとつけ、歌うところはたっぷりと歌わせる、思い入れのこもった演奏。ウィーンを感じました。
モーツァルト最晩年の深遠な世界が会場を包み込みました。
ところで、今回のコンサートの魅力は、そのプログラミングにもありました。
5曲の協奏曲を作曲年代順に並べてみました。

モーツァルトの管楽器の協奏曲は、若い時代の明快な「楽器の魅力を見せる協奏曲」から、晩年のクラリネット協奏曲のような「楽器で歌わせる音楽」へ変化しています。
しかし、プログラムは単純に作曲年代順に演奏しているのではありません。
前半では、
オーボエ(明快・華やか)
フルート(軽やか・透明)
ホルン(温かさ・雄大)
といった多彩な管楽器の響きを楽しみ、
休憩後の後半では、最も若い年代のファゴット(快活・ユーモラス)と最晩年のクラリネット(歌・静けさ・深い余韻)の協奏曲を並べることで、モーツァルトの生涯を垣間見ることができる構成になっていました。
また、今回の5曲を並べてみると、すべて基本的に
速い第1楽章 → ゆっくりした第2楽章 → 明るく動きのある第3楽章
という古典派協奏曲の典型的な3楽章構成になっています。
私は、ゆっくりとした第2楽章の後、雲の切れ目から光が差してくるような第3楽章の眩いばかりの明るさに惹かれました。この鮮やかな切り替えは、名手たちの演奏で一層引き立ちました。

終曲のクラリネット協奏曲が終わると、カーテンコールで5名の奏者が揃いました。

アンコールで、リムスキー=コルサコフ:《皇帝サルタンの物語》より 「熊蜂の飛行」が演奏されました。目まぐるしく飛び交う音の応酬に、名手5人の超絶技巧と息の合ったアンサンブルが凝縮され、会場は大いに沸きました。

今回のコンサートでは、ウィーンとベルリンの名手たちが、群響とがっぷり四つに組んで、モーツァルトの協奏曲の魅力を心ゆくまで味わうことができました。
オーケストラ・ウィークの2日目(20日)は、東京芸術劇場(池袋)での「読売日本交響楽団」です。私の好きなラフマニノフの「交響的舞曲」を聴いてきます。




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