群響:ベートヴェン8&4
- tokyosalamander
- 9 時間前
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2026年2月15日(日)、群響によるベートーヴェン交響曲全曲演奏会の第3弾として、交響曲第8番と第4番、そして協奏曲第4番の演奏会がありました。

指揮は1977年イタリア生まれのフランチェスコ・アンジェリコ氏。現在、ドイツの歌劇場などで活躍していますが、日本では2024年12月に読売日本交響楽団とベートヴェンの第9を演奏したのが初めてです。その様子はテレビでも放映され、情熱的な演奏で一躍知られるようになりました。今回の群響との演奏は、もちろん初共演です。
一方、ピアニストのティル・フェルナー氏はウィーン生まれで、バッハやベートーヴェンを得意としています。群響とは2024年4月の定期演奏会に続き2度目の共演です。

さて、1曲目のベートーヴェンの交響曲第8番です。
一言でいうと、非常にメリハリの利いたアグレッシブな演奏でした。私の中では、第8番にはなんとなく、もっさりとしたイメージがありましたが、古楽演奏のように音を短く切り、ティンパニーで効果的にアクセントを付けながら、軽快に一気呵成に進みました。音量のダイナミクスの付け方がかなり特徴的で、小さい音の場合は、体もしゃがむように小さくなり、そこからだんだん大きくなる、ということが視覚的にも伝わってきました。また、旋律を歌わせるところはじっくりと歌わせてくれました。第8番は演奏時間26分程度の曲ですが、非常にテンポが良かったので、まるで序曲のようにあっという間に終わったという印象でした。
続いて、2曲目はベートーヴェンの協奏曲第4番です。
ピアニストのティル・フェルナー氏は、指揮者のフランチェスコ・アンジェリコ氏とは真逆で、一音一音を慈しむように丁寧に、ゆっくりとしたテンポで演奏が始まりました。一瞬、音楽が止まってしまったかのような間があったりしましたが、終始、わが道を行く、という風格に満ちた演奏で圧倒しました。なんとなく、ピアニストと指揮者のテンポ感が違うことを感じましたが、オーケストラの伴奏は完璧だったので、これも協奏曲の醍醐味なのかもしれないなと思いました。演奏終了後、ティル・フェルナー氏は観客から盛大な拍手を受けていたことは言うまでもありません。
ここまでが前半でした。かなりのボリュームでしたが、第8番が4楽章の序曲のように聞こえたので、協奏曲との組み合わせは、わりと自然な流れでした。
休憩後は、ベートーヴェンの交響曲第4番です。プログラム的には、この曲がメインということになります。実演で聴くのは初めてでした。
第1楽章はゆっくりした序奏に続いて第8番と同様に軽快なスピード感で始まりました。しかし、一転して第2楽章では、第8番ではみられなかった、かなりゆっくりしたテンポで各楽器の旋律を徹底的に歌わせました。時にはオーケストラが止まってしまうのではないかと感じる場面もあり、第1楽章との落差を感じました。第3楽章では再び、快速のテンポに戻り、力強さが蘇り、その勢いで第4楽章になだれ込みました。情熱的なメリハリのある指揮が終始一貫していました。群響もそれに応えるように熱演を繰り広げました。しかし一方で、手に汗握るようなスリリングな興奮というのとは別物のような気がしました。とはいえ、これが現代のベートーヴェン演奏なんだろうなと思いました。




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