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​身近な風景

銀杏の精製・天日干し

  • 執筆者の写真: tokyosalamander
    tokyosalamander
  • 2 時間前
  • 読了時間: 2分

2025年10月29日(水)、常連の草野さんから、銀杏の精製、天日干しまでの手作業の記録(写真)が届きました。

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銀杏といえば、あの匂いですよね。

銀杏の臭いの正体は、その果肉(外表皮)に含まれている物質にあります。

酪酸』と『エナント酸』という物質です。

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酪酸』は、発酵食品であるチーズやバターなどにも含まれる無色透明な油状の物質です。哺乳動物が体外へ分泌する皮脂にも酪酸は含まれており、蒸れた足などから発せられるような不快な匂いです。

エナント酸』も、酪酸と同じく油が酸敗したような悪臭を持つ物質です。


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銀杏の果肉には、これらが合わさった成分が含まれているため、多くの野生動物はその臭いを敏感に感知し、強く忌避する傾向があります。つまり、果肉の付いた熟した銀杏を食べようとする動物はほとんどいません。

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ところで、大学の構内で、タヌキの「ため糞」を見かけることがあります。タヌキは同じ場所に糞をする習性があるので、糞が一か所に集まっています。その「ため糞」の中には、明らかに銀杏とわかる固い種子がたくさん入っていました。タヌキにとっては、銀杏が熟した臭いは、魅力的な臭いなのかもしれません。

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つまり、銀杏の果肉にこうした成分が含まれているのは、この特徴的な臭いに興味を示す限られた野生動物にのみ食べてもらい、ため糞の場所から発芽し、種を存続させようという生存戦略なのかもしれません。



ところで、野生のタヌキなどに加えて、この臭いに惹かれる動物がいます。

そうです。人間(日本人?)です。もっとも、この臭いそのものは嫌いだと思いますが、硬い殻の中にある種子が美味しいことを知っているからに他なりません。


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草野さんによれば、果実をつぶして果肉を取り除いて、水洗いするそうです。

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水洗いした種子を今度は乾かして、天日干しにすれば出来上がりです。

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美味しい銀杏を食べるためには、このように手間がかかるのですね。

草野さん、お疲れさまでした。


 
 
 

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