12月12日(火)、アピタ(ショッピングセンター)にサンタさんが、エスカレーターに乗って降臨しました。
現在のサンタクロースの典型的なイメージは、1931年にコカ・コーラ社がキャンペーン用に作ったものとされています。つまり、「遠い北の国からやってくる優しいサンタクロース」というイメージは、資本主義が生み出した現代の神話です。
アピタで、エスカレーターに乗ってやってきたサンタさんは、現代のサンタクロースのイメージにピッタリです。何の違和感もありません。実は、サンタクロースは人ではありません。もちろん、神や妖精でもありません。
ところで、「サンタクロースの正体が親だと知らせてはいけない」というのは知ってますよね。親の義務と言ってもいいでしょう。誕生日に親からもらうプレゼントは、ある意味、ご褒美(対価)であるのに対して、クリスマスに得体のしれないサンタさんからもらうプレゼントは、見返りを求めない贈り物(贈与)として輝きを増します。サンタクロースはそのようなことを唯一可能にする役割や制度でもあります。偉大な発明、と言ってもいいかもしれません。アピタのサンタさんは見事に、その役割を果たしていました。
ところで、私の同僚だったYさんのお子さんが小学何年生かになった頃(もう20年以上も前のことです)、クリスマスにお子さんから、こう聞かれたそうです。「もしお父さんがサンタさんだったら教えてくれる? 僕がお父さんになった時、子どもにプレゼントをあげなきゃいけないから。」贈り物(贈与)は、贈ってくれた相手に返すものではないことをわかっていたんですね。その時、Yさんが何と答えたのかは覚えていません。しかし、「サンタクロースなどいない」と知った時、サンタクロースはその役割を終え、子ども時代も終わりを告げます。
9か月児となった利都くんには、まだ、この赤い服を着た人が誰かなのか、わかりません。しかし、サンタさんはいるんだ、と信じ込む日は確実に近づいています。今はそういう日々を楽しむことにしましょう。
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