9月7日(木)、最近読んだ本の中から、『Beautiful Words』を紹介します。今回は、森下喜一著「佐野弁ばんざい」(随想舎、2023年7月12日発行)です。「広報さの」令和5年8月号での特集記事も交えて、紹介します。
「佐野弁ばんざい」は、佐野市在住の方言研究者、森下喜一さん(89)が、「広報さの」に、平成19年4月号から令和5年3月号までの16年間、連載したコラム「佐野弁ばんざい」を本にまとめて出版したものです。
連載終了を記念して、「広報さの」令和5年8月号では、8ページにわたる「特集 佐野弁ばんざい Returns ~16年間の連載を終えて~」を掲載しています。
森下さんは、旧葛生町出身。国学院大学進学後、金田一京助(きんだいちきょうすけ)ら著名な言語学者に師事し方言学を研究しました。その後、長年、方言学の第一線で活躍され、グリコ・森永事件などの重大事件で、捜査機関から方言による犯人分析を依頼されることも多かったそうです。
「佐野弁ばんざい」という形で、後世に残すことができたことについて、森下さんは、「方言は言葉です。言葉は基本的に音声だから、記録に残さないと失われてしまいます。文章にしたためることで、百年後、二百年後の人々も佐野弁について知ることができるのではないでしょうか。未来に佐野弁を残すことができてよかったと思っています。」と、「広報さの」のインタビューの中で語っていました。
今回の『Beautiful Words』は、森下さんが、「広報さの」の中で、「これから学問を志す方へ」、その思いを綴られた文章です。
学問なんてものは、やっているうちに広がりが出てきます。
これをやらなかったら誰も分からないから研究してみようと思うと、その研究に深さや広がりが出てきます。そんな深さや広がりの中で新しい発見が出てきます。「調べてみようかな」という心構えと探究心が大切ですね。
やろうと思ったら、その道に精通している人を見つけることです。そして積極的に行動することが大切ですね。
頭の中で考えるだけで行動しない人には、新しいものが見つかりませんよ。
とにかく計画を立ててやる、行動することが大切です。
森下喜一
地元佐野にこんな素晴らしい方がいることを知って嬉しいです。ちなみに、森下さんは、地元「佐野高校」を卒業されました。
PS「広報さの」の表紙ロゴは、佐高生が考えました。
「広報さの」令和5年4月号より
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