セツブンソウとフクジュソウ
- tokyosalamander
- 2月19日
- 読了時間: 3分
更新日:2月20日
2026年2月19日(木)、佐野市葛生の赤堀さんの庭では、セツブンソウとフクジュソウが満開でした。

手前の白い花がセツブンソウ(節分草)です。早春に芽を出し節分の頃に花を咲かせることからこの名がつけられています。しかし、今年は節分より少し遅く2月10日頃、開花が始まったそうです。

セツブンソウは、石灰岩質を好む傾向があるとされています。
レッドデータとちぎでは、「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されています。

セツブンソウ ©2018 栃木県 レッドデータとちぎウェブより
一方、黄色い花がフクジュソウ(福寿草)です。

こちらも春を告げる花の代表です。赤堀さんによると、セツブンソウと同様に、今年は2月10日頃から開花が始まったそうです。

日当たりと水はけ、風通しの良い場所に生えています。石灰岩質を好む傾向があるそうです。
よく見ると同じ方角を向いて咲いています。フクジュソウは花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引しているという説もあります。そのため、花は日光が当たると開き、日が陰ると閉じると言われています。(実際に確かめてみたわけではありませんが‥)

レッドデータとちぎでは、フクジュソウも「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されています。しかし、新春を祝う縁起物として、江戸時代より多数の園芸品種が作られています。その意味で、野生のフクジュソウには価値があります。

フクジュソウ ©2018 栃木県 レッドデータとちぎウェブより
セツブンソウとフクジュソウの分布図を比べてみると、いずれも葛生(メッシュ番号543944)には自然分布していることがわかります。石灰岩質を好むことと関係があるのかもしれません。
両種とも、温帯の落葉広葉樹林に適応した植物で、冬に落葉した森林で、日差しが十分に入る早春に花を咲かせる植物です。その間に光合成を行い、栄養分を地下に蓄えます。他の植物が繁茂してくる頃には葉も枯れてしまい、あとは来年の春に向けて地下で過ごす多年草です。
赤堀さんの庭でも、どこにでも生えているわけではなく、草丈の高い植物が生えていない明るい場所にのみ生えています。
これらは「春の短い命」「春のはかないもの」という意味で「スプリング・エフェメラル」(春植物、春の妖精)と呼ばれていますが、春先の一瞬のチャンスを逃さない繁殖戦略はしたたかでもあります。


栃木県の絶滅危惧Ⅱ類のセツブンソウとフクジュソウが同じ場所で群落をつくり、同じ時期に開花しているのは、なかなか見られない風景です。
この環境を維持するため、落ち葉をどけたり、下草を刈ったりする作業は欠かせないそうです。人の手が入らなくなると、おそらく「スプリング・エフェメラル」に出会うことはできなくなるのかもしれません。それだけに、毎年こうした風景を眺めることができるのは価値があることだと思います。




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