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​身近な風景

妖怪ミュージアム

  • 執筆者の写真: tokyosalamander
    tokyosalamander
  • 21 時間前
  • 読了時間: 5分

更新日:13 時間前

2026年8月12日(水)。さくら市には、山を運んできた巨人の妖怪「でいでん坊」(ダイダラボッチ)がいました!

さくら市ミュージアムで開催されている、夏休み特別企画「妖怪ミュージアム~妖怪がミュージアムをのっとった!?」(8月23日まで開催)を紹介します。


妖怪(ようかい)とは、日本で伝承される民間信仰において、人間の理解を超える奇怪で異常な現象、あるいは、それらの現象を起こす不可思議な力を持ち科学で説明できない存在を指しています。妖(あやかし)、物の怪(もののけ)、魔物(まもの)とも呼ばれています。(wikipediaより)


今回の企画は「妖怪ってどうやって生まれるのか」をテーマとして、栃木県やさくら市の伝承を紹介しながら、妖怪を人々が不安や災いと向き合う中で生み出した「共に生きる」文化的存在として捉えています。



さて、壁の上からお出迎えしているのは、さくら市に伝わる巨人の妖怪「でいでん坊」(ダイダラボッチ)です。その顔には縄文土器の文様が施されています。


縄文時代の人々は、山や川、道具など、あらゆるものに魂が宿るという考え方を持っていました。縄文時代から続く「自然と人間との関係」、「人と見えざるもの」とのつながりの中から、妖怪が生まれたと考えることができます。


それでは、さくら市で伝わる巨人の妖怪「でいでん坊」(ダイダラボッチ)伝説からみていきましょう。

(↑妖怪ミュージアムの展示より。展示については、一部の資料を除き、写真撮影やSNS等での公開可となっています)


お羽黒山は、現在、宇都宮市にある標高約458mの羽黒山です。

「でいでん坊」が、羽黒山を藤のつるで縛って持ってきたという、とんでもない伝説です。


さらに、さくら市の『押上』、塩谷町『肘内』、宇都宮市『芦沼』などに、「でいでん坊」の伝説に由来するとされる地名も残っています。


「あの山はどうしてここにあるの?」

「どうしてここに沼があるの?」

「どうして鬼怒川はこのように流れているの?」

「この地名はどうして生まれたの?」


昔の人々の「なぜ?」に対して、

「ものすごく大きなでいでん坊が山を持ってきて、足を踏ん張ったからだ」

という物語を与えました。


そう考えると、「でいでん坊」(ダイダラボッチ)伝説って、単なる妖怪話ではなく、昔の人々による「地域の自然を読み解く物語」なんですね。


実は、もののけ姫に登場する「ダイダラボッチ(ディダラボッチ)」は、日本各地に伝わるダイダラボッチ伝説をもとにした存在で、「でいでん坊」もその同じ系統に属します。


『もののけ姫』では、「ディダラボッチ」=シシ神が夜に変化した巨大な姿とされていますが、単純な「妖怪」や「怪物」ではありません。森の生命や生と死をつかさどる、巨大で人間には理解しきれない自然の存在として描かれています。


日本の民間伝承にある『人間を超えた自然の力を持つ巨大な存在』というイメージを重ねてみると、『もののけ姫』は少し違って見えてくるかもしれません。



同様に、人間の力ではどうしようもない災いを妖怪の仕業と考えるようになりました。

企画展「百鬼騒乱」は、災いと妖怪伝承との関係を紐解いています。妖怪を人々が不安や災いと向き合う中で生み出した「共に生きる」文化的存在として捉えています。




雪崩を引き起こす山の神

をもたらす雷獣



水害をもたらす河童

豪雨・日照りをもたらす龍蛇(りゅうじゃ)」

「川で遊ぶと河童に引きずり込まれる」という言い伝えは、子どもの水難事故を防ぐための知恵と考えられます。



津波を引き起こすザン(半人半魚)

洪水を引き起こすやろか水



大風(台風)を起こす一目連(風の神)

噴火を起こすダイダラボッチ(神の山と巨人)

「台風の真ん中に入ると、突然風が止み、青空がのぞくことがあります(台風の目)。このような気まぐれな現象は、人知を超えた「一目連(いちもくれん)」という一つ目の風の神が操っていたと考えられていました。」



土砂災害(土石流)を引き起こす法螺(蛇、龍)

地震を起こす

「土石流は、地中に棲む蛇が抜けたり、蛇が龍となって空に昇っていく際に引き起こされると考えられてきました。山に三千年、里に三千年、海に三千年いた法螺貝(ほらがい)は龍になるとされています。蛇やほら、の付く地名は土石流などの災害と関係がある可能性があるそうです。」



大火を引き起こす天狗

感染症をもたらす

「天狗の持つ団扇(うちわ)は突風を引き起こす力があります。関東大震災(1923年)では、火炎旋風(大規模な火災の際に発生することがある、局地的に強い風を吹かせる炎を伴った旋風)によって多くの命が亡くなりました。」

「感染症は目に見えない存在である鬼のしわざと考えられました。今でも節分で、鬼は外、と豆まきし、無病息災を願っています。」



これは素晴らしい企画展だと思いました。

これだけの企画をした「さくら市ミュージアム」は凄いです。


他にも「妖怪肝だめし」がありました。お化け屋敷のように楽しむことができます。

これらの妖怪たちにも、きっと生まれてきた理由があったのではないかと思います。


また、現代の創作妖怪の展示もありました。

「爆買い」(左上)

「妖怪除仙(右上)」

「洗濯老人(左下)」

「うそつきおとし(右下)」


「誤用(左上)」

「ぴろり(右上)」

「家の中のすみっこぐらし(左下)」

「餓鬼(右下)」



やはり現代の妖怪にも生まれてくる理由がありました。


夏休み特別企画「妖怪ミュージアム~妖怪がミュージアムをのっとった!?」(8月23日まで開催)は、単なる妖怪の紹介ではなく、「妖怪ってどうやって生まれるのか」という明確なテーマがありました。


このことは、現代社会に潜む人々の不安や怖れにもつながっていると思いました。



 
 
 

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