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​身近な風景

執筆者の写真tokyosalamander

Golden Rod Honey

2024年11月1日(金)、セイタカアワダチソウ(背高泡立草)の蜂蜜を佐野のイオン内にあるカルディ( CALDI COFFEE FARM ) で購入しました。原産国はカナダで「ゴールデンロッドハニー」という商品名です。

セイタカアワダチソウは、今や日本の秋を彩る風景の一つとして定着しています。(足利市山川町2024.10.25 )

日本名の「背高泡立草」の由来は、よく肥えた田畑などでは高さが2~4mにもなることから「背高」、そして泡立つように咲く黄金色の花をつけることから「泡立草」となったそうです。(諸説あるのかもしれませんが‥)


一方、英名では「golden rod(金のムチ)」と呼ばれていますが、黄金色の花々を咲かせる姿かたちが金色のムチに似ていることに由来しています。


どちらも、花の見た目から名前が付けられています。

セイタカアワダチソウは、北アメリカ原産で、日本には明治時代末期(1900年頃)に園芸目的で持ち込まれたとされています。


「牧野日本植物図鑑」(1940)では「昭和の初めには既に帰化が知られている。」と記されており、長田武正「日本帰化植物図鑑」(1972)では「おそらく戦後日本に入り急速に伝播して行った。」と記載されています。日本へ北アメリカから持ち込まれたのは、蜜源植物として養蜂家によって北九州一帯で栽植されたのが始まり、という説もあります。


現在では、ほぼ全国に分布が広がっています。その繁殖力の強さから、「要注意外来生物」、「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されています。


セイタカアワダチソウは、冬になる前に大量の蜜と花粉を集められる最後の機会となることから、養蜂家にとっては蜜源植物となります。現にカナダでは「ゴールデンロッドハニー」として絶大な人気を博しています。カルディで購入した商品には「夏の終わりにケベック州で咲き乱れる野生のゴールデンロッドから採取されたはちみつです。花の香りとコクのある甘さが特徴です。」と記載されています。

実際に、ヨーグルトに混ぜて食べてみました。確かに、色も濃く、香りとコクのある甘さが特徴的でした。お店でよく見かけるレンゲの蜂蜜よりも、パンチの利いた野性的な味という感じがしました。カルディの定番商品として人気があるのもわかりました。

しかし、日本産のセイタカアワダチソウの蜂蜜は、現在、どこを探しても販売されていません。いったい、なぜなのでしょうか。


調べてみると、セイタカアワダチソウの蜂蜜には、特有の臭いがあるため、日本では人気がないそうです。仮に、商品化しても二級品としか扱われないため、養蜂家は敬遠しているようです。この臭いの元は「アンブレッドリド」という物質で、優雅なムスク香があるそうです。ムスク香というと、良さそうな気もしますが、この臭いは「古い靴下のような酸っぱい臭い」に例えられ、未精製のゴールデンロッドハニーは、とても食べる気にならないほど臭いそうです。この臭いは、万国共通で不快な香りとされています。このことから、日本でも最初は蜜源として利用しようとしたものの、あきらめてしまった、というところのようです。


それならば、カナダ産の「ゴールデンロッドハニー」もそんなに臭いかというと、そんなことはありませんでした。ゴールデンロッドハニーは熟成すると臭いが消えて美味しくいただけるということでした。おそらく、その熟成の仕方は、唯一生産しているナチュロニーの企業秘密的なものなのでしょうか。


あるいは、日本のどこかの道の駅などで、地元の養蜂家が生産した「セイタカアワダチソウの蜂蜜」がひっそりと販売されている可能性はあります。皆さんも、道の駅などに蜂蜜コーナーがあったら、探してみてください。


PS:2010年には、日本産のセイタカアワダチソウの蜂蜜が細々と販売されていました。取り寄せて食べてみた時のことを記載した私の「生物通信すっかんぽ」を紹介します。


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