『カヴァレリア・ルスティカーナ』
- tokyosalamander
- 9月15日
- 読了時間: 4分
更新日:9月21日
2025年9月14日(日)、小山市立文化センターで、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」(イタリア語上演/日本語字幕付き)を鑑賞しました。OYAMAオペラアンサンブル創立35周年記念公演の前半の演目でした。

右上の写真は、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の主役キャストのお二人です。村の青年トゥリッドゥ(野城充生さん、右)と、身寄りのない村娘サントゥッツァ(柳田明美さん、左)です。皆さんご存じの我らが野城先生が、主役の一人として登場しました。
(なお、本記事で使用する写真は、野城先生のご提供によるもので、関係者から本ブログへの掲載許可をいただいています)
ところで、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」と聞くと、間奏曲が有名ですが、どんな物語なのかは知りませんでした。そこで、改めてAIに聞いてみました。
(以下)
『カヴァレリア・ルスティカーナ』は、ピエトロ・マスカーニが作曲した1幕のオペラで、イタリアのシチリア島を舞台にした情熱と裏切り、復讐の物語です。ヴェリズモ(写実主義)オペラの代表作としても知られています。
あらすじ(ざっくり30秒版)
・若者トゥリッドゥは、人妻ローラと不倫関係にあります。
・ローラの夫アルフィオはその事実を知り、怒りに燃えます。
・トゥリッドゥは現恋人サントゥッツァを冷たく突き放し、ローラとの関係を続けます。
・サントゥッツァはアルフィオに不倫を告げ口。
・アルフィオはトゥリッドゥに決闘を申し込み、トゥリッドゥは殺されてしまいます。
(以上)
キャストは5人です。その中で、村の青年トゥリッドゥ(野城充生さん)と、村娘サントゥッツァ(柳田明美さん)の二人が、物語を動かしていきます。

舞台は、新進気鋭の演出家「塙翔平さん」によるもので、シンプルな構成とプロジェクションマッピングによる背景が印象的でした。日本語字幕付きなので、ストーリーもよくわかりました。
教会や愛の象徴として「聖母マリア像」が舞台後方に鎮座し、おそらく死の象徴として、白を基調としたたくさんの花が、床に散りばめられていました。白い花に交じって色とりどりの花も見られますが、それは、それまでの人生の輝かしい思い出の数々であり、生の記憶なのかもしれません。そして最後には、舞台全体が白い花で覆い尽くされることになります。



彼岸の世界を思わせる一面の白い花が、有名な「間奏曲」の曲調と、絶妙にマッチしていました。「間奏曲」は穏やかな安らぎを感じさせてくれますが、それは死後の世界でのことであることが暗示されています。
5人のキャストは、その役柄と個性がぴったりはまっていて、この人でなければという必然性を感じました。それぞれの方がたどってきた人生が、背後に垣間見えたような気がしました。本当に素晴らしかったです。サントゥッツァのアリア(柳田明美さん)では、会場からブラボーの声がかかりました。


このオペラを輝かせたものは、キャストの素晴らしさだけでなく、合唱の歌声が力強く、生命力に満ちており、一人一人が表情豊かであったことは言うまでもありません。死の対局である生を実感させるリアリティを感じました。
また、伴奏の「OYAMAオペラアンサンブルオーケストラ」も素晴らしく、物語に命を吹き込んでいました。私は一番前の客席で、オーケストラピットを覗き込みながら聴いていましたが、指揮者の小森康弘さんと楽団員が一体となり、きびきびしたテンポの良い伴奏で物語をぐいぐい引っ張っていました。
今回、野城先生が出演されることを知り、初めて公演を聴きに行きました。そこで、OYAMAオペラアンサンブルの魅力と底力を知ることができました。想像をはるかに超えて素晴らしかったです。
また、それと同じくらい、「カヴァレリア・ルスティカーナ」に込められた情熱と祈り、そして、美しくも切ない「間奏曲」の本当の意味を知ることができたのは、とても嬉しかったです。
次回の公演にも行ってみたいと思いました。皆様お疲れさまでした。
PS:野城さんのここまでの道のりを「Beautihul Words」(2024年2月)で紹介しています。良かったらご覧ください。『Beautiful Words』No.14




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