佐渡裕:新日本フィルのブラームス
- tokyosalamander
- 23 分前
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2026年5月24日(日)栃木県総合文化センターメインホールで、佐渡裕指揮新日本フィルハーモニー交響楽団によるブラームス・プログラムを聴いてきました。

指揮者の佐渡裕さんは、新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任して4年目のシーズンを迎えました。その集大成として、ヴァイオリンの三浦文彰さんをソリストに迎え、オール・ブラームス・プログラムが全国9か所で披露されています。

↑会場に置かれたポスター。同僚のしのピーさんと聴きました。
本公演のチケットの一般販売(Web・窓口)は2月7日(土)の10時から始まりました。佐渡さんと三浦さんの夢の共演として、かなり注目度が高かったため、職場の同僚「しのピー」さんに頼んで二人分の座席をWebで購入してもらうことにしました。
販売開始と同時に、凄まじい争奪戦の火ぶたが切って落とされました。聴きやすい座席は見る見るうちに購入されて消えていきます。これだと思って選択した座席は、何度もタッチの差で他の人の手に落ちてゆきました。あせった「しのピー」さん、最前列の座席なら取れるだろうと、いちかばちかで、2つの座席をゲットしたそうです。
しのぴーさんには「なるべく前の方の席をお願いします」と確かに言いましたが、まさかの最前列。究極の「なるべく前の座席」でした。音響的には大丈夫なの?という一抹の不安もありましたが、結果的には大正解でした! 指揮者の佐渡裕さんやヴァイオリンの三浦文彰さんだけでなく、オーケストラの団員が演奏する姿や音を目の前で見たり聞いたりできる異次元体験をすることができました。しのピーさんに感謝です。
ちなみに、25日付けの下野新聞の3面には、本公演の様子が写真付きで紹介されていますが、その写真で最前列の右端に私の姿が写っていました。

今回のコンサートでは、演奏の前に、佐渡裕さんによるプレトークがありました。
ブラームスと言うと日本では秋をイメージしますが、ヨーロッパでは冬から夏にかけて、雲の切れ目から太陽の光が差し込んでくる初夏のイメージなのだそうです。つまり、今がまさに、ブラームスの旬なんですね。耳から鱗でした。
また、ブラームスの交響曲第1番には、ベートーヴェンへのリスペクトと継承が至る所に見られるとともに、シューマンの妻であったクララの存在(愛)が大きく影響しているそうです。今回のプログラムには愛がある、と言っていました。
ヴァイオリニストの三浦さんとは、三浦さんが高校生の頃から知っていたそうですが、共演するのは今回が初めてだそうです。これは意外でした。
新日本フィルハーモニー交響楽団については、就任後の3年間を経て、満を持してブラームスに取り組みました。佐渡さんが求めている音になるまで辛抱強く繰り返すことを通して、ひとつの光になるような美しい音楽が誕生したそうです。

いよいよ演奏が始まりました。
1曲目は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲です。
三浦さんの演奏は、終始、自信と力に満ち溢れてて、堂々たる巨匠ぶりでした。また、指揮者の佐渡さんとは何度もアイコンタクトをとっていて、オーケストラとの音の対話を大切にしていることが伝わってきました。最前列で顔の表情までつぶさに見ることができたのは、まぎれもなく最前列の特権でした。渋く重苦しいイメージのある曲でしたが、情熱的なエネルギーと穏やかな陽光が交錯し、輝かしい旋律が疾走する最高のヴァイオリン協奏曲でした。
休憩をはさんだ2曲目(終曲)は、ブラームスの交響曲第1番です。
第1楽章冒頭の重々しく強烈な響きに圧倒されました。これが佐渡さんが求めていた音なのでしょうか。佐渡さんの指揮ぶりは、あまり派手な動きはありませんでしたが、要所要所でそれぞれの楽器に向けて指示を出していました。特にチェロが重厚な旋律を奏でる際、佐渡さんの握りこぶしに力が入り、唸り声も響いていたように感じました。佐渡さんがブラームスに求めていた音は、チェロなどの低弦が奏でる重厚な響きが欠かせないのではと思いました。ここでも最前列効果は抜群でした。個々の奏者の奏でる音だけでなく、顔の表情までもが読み取れました。最後の第4楽章に入ると、佐渡さんの指揮にはいっそう力が漲り、体全体を使った動きが加わりました。曲は劇的に展開し始め、今までに蓄積してきたエネルギーが火山の噴火のように爆発を繰り返しました。こんなにも情熱的で分厚い響きの交響曲第1番は聴いたことがありません。最後の一音で締めくくられると、あちこちからブラボーの声が上がりました。近くに座っていた人たちからは「素晴らしい!素晴らしい!」と感極まった言葉が何度も繰り返されていました。私の目にも、そして隣で聴いていたしのピーさんの目にも、涙が浮かんでいたようです。



佐渡さんを始め、オーケストラの団員の皆さんの満足した笑顔が輝いていました。佐渡さんの求めている音を出し切った、という自信に溢れていたように思いました。
この後、アンコールを披露してくれました。

アンコールがあるとすれば、ブラームスのハンガリー舞曲あたりなのではと予想していましたが、見事に外れました。
これだけの演奏の後は、身も心もクールダウンしてくれる納得の選曲でした。
今回は、しのぴーさんのお陰で、最前列の異次元体験でブラームスを堪能することができました。




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