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​身近な風景

稲刈り&生き物調査2025

  • 執筆者の写真: tokyosalamander
    tokyosalamander
  • 10月5日
  • 読了時間: 5分

2025年10月4日(土)、佐野市長坂町(葛生)にある「びしょうの森」で、「稲刈り&生き物調査」が行われました。

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びしょうの森(モリ田守センター)は、2023年に環境省から、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域として、「自然共生サイト」に認定されました。美松堂および協力会社の支援活動により、「びしょうの森」では、米づくりや里山での学習、生き物調査などの「ネイチャー・ポジティブ」な活動を行っています。


今回は、「びしょうの森」の里地里山保全活動の一環として、「稲刈り&生き物調査」が行われました。東京都内から50名以上が参加しました。


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稲刈りの時期に合わせた「生き物調査」は、実は今回が初めての試みでした。

昨年度は、稲刈り前にイノシシが田んぼに侵入し、壊滅的な被害を受けたため、「稲刈り体験」は中止せざるを得ませんでした。今年もシカの侵入による食害はあるものの、なんとか実施できる状況を維持しています。


さて、田植えの時期は、両生類や爬虫類の仲間にフォーカスした「カエル調査」を行いましたが、赤とんぼが飛び交う稲刈りの時期は、さまざまな昆虫の姿を目にする機会が圧倒的に多くなります。


そこで、昆虫やカエル、ヘビなど、生き物全体に視野を広げた「生き物調査」を行うことにしました。しかし、昆虫についてはよくわかりませんので、昆虫の専門家を招いて、事前調査(勉強会)を行うことにしました。


1週間前の9月27日(土)の午前中、昆虫の専門家で、私たちの仲間でもある小林さんと一緒に事前調査を行いました。

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その結果、「モリ田守センター」には非常に多くの多様な昆虫が生息していることが分かりました。主な昆虫の分類や見分け方・特徴などについても、小林さんから教えてもらいました。ヘビに詳しい中島さんは、さっそくヤマカガシの兄弟?を捕獲していました。


事前調査をもとに、観察する田んぼを選定し、調査時間や方法を決めました。こうして、1か月前から準備を進めていた「生き物調査」は実施されることになりました。

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(↑事前調査の成果です)


事前調査の数日後(30日)、赤堀さんが田んぼの周囲にしかけた「くくり罠」でシカを捕獲したという連絡がありました。里山での稲作は、野生動物によるリスクと背中合わせでもあります。

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ちょっと寄り道してしまいましたね。

10月4日「稲刈り&生き物調査」が始まりました。前日から現地入りしてくれていた谷口さんと熊倉さん(ともに宇都宮大学農学部3年生)は、当日、朝早くから、ぬかるんでいる場所の稲刈りを済ませてくれました。

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11時20分、参加者の皆さんが到着しました。モリ田守センター長の赤堀さんから、一日の流れの説明があり、稲刈り体験が始まりました。

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鎌の使い方などの説明もありました。

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やっているうちに、だんだん要領が分かってきたようです。

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一方子どもたちは、稲刈りよりも「カエルやバッタ」探しに夢中です。

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すでに、こんなに多くのカエルや昆虫(イナゴ、バッタ、カマキリ、クモなど)を捕まえました。

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大人たちは、刈り取った稲を乾かす作業を行っています。大勢で行ったため、ほぼ1時間で、すべての作業が終了しました。ここから、どれくらいの米がとれるのでしょうか?

後で教えてください。

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また、こちらも朝早くから、スタッフたちによって昼食の準備が行われています。

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焼きそばや焼き肉、焼ポテトなどに加えて、メインディッシュともいえる郷土料理「耳うどん」も出来上がりました。


12時30分、待ちに待った昼食の時間です。皆さん、好きなものを好きなだけ食べていました。やはり働いた後に食べる料理の味は格別ですね。

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13時30分、いよいよ私たちの出番がやって来ました。4班に分かれての「生き物調査」の始まりです。


当初の予定では、稲刈りを行った田んぼを「調査地A」、草地と湿地のある田んぼを「調査地B」として、それぞれ10分間ずつ、生き物調査(生き物を捕獲する)を行う予定でしたが、午前中の稲刈りで、子どもたちによる精力的な調査が先行して行われたため、急遽、「調査地B」のみを20分間調査することに変更しました。(これは、途中で雨が降ってきたこともあり、大正解でした)

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↑当日の調査シートです。


班ごとに思い思いの場所で「生き物調査」を始めました。

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調査から15分が経過した頃、雨が降ってきたため、早めに切り上げました。

そのため、テントの中で「生き物調査」の振り返りを行いました。各班のチームリーダーが、調査の中で気づいたことや疑問点などを発表しました。1班は萩原さん、2班は増田さん、3班は冨野さん、4班は和嶋さんです。

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それを受けて、講師の中島さん(栃木両生爬虫類の会 代表)から、「生き物調査」の振り返りと総括が行われました。

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中島さんからは、今日の「生き物調査」で見つかった生き物たちが生息できる環境や棲んでいる場所、エサなどについて、わかりやすい説明がありました。そして、こうした田んぼの生き物がこれからも暮らしていくためには、私たちが米を食べることが大切なんだ、という言葉で締めくくられました。とても素晴らしいお話でした。

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また、中島さんが捕獲したヤマカガシの幼体も見せてくれました。参加者(特に子どもたち)は、興味津々でした。

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今回の「生き物調査」(特に午前中の稲刈りした田んぼ)で捕獲・確認できた動物は以下の通りです。


<昆虫など>

・カマキリの仲間→オオカマキリ4、コカマキリ2、ハラビロカマキリ1、ムネアカハラビロカマキリ1

・イナゴの仲間→コバネイナゴ(最多)、ハネナガイナゴ(多数)

・クビキリギス(10以上)

・ショウリョウバッタ1

・クルマバッタ2

・エンマコオロギ6

・ササキリ2

・オンブバッタ5

・赤とんぼの仲間→アキアカネ(ほとんど)、ナツアカネ2、ウスバキトンボ2

・ナガコガネグモ1


<カエル>

・トウキョウダルマガエル(多数)

・ヌマガエル(多数)


<ヘビ>

・ヤマカガシ幼体3


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昆虫の数々、圧巻でした!


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トウキョウダルマガエルとヌマガエル。これだけ多数のトウキョウダルマガエルが生息している環境は珍しいです。


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↑ハラビロカマキリ


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↑ムネアカハラビロカマキリ(その名の通り、胸が赤いですね)



最後に、恒例のドローンを使った集合写真を撮影しました。

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(↑撮影者:写真家の今浦友喜さん)


参加者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れさまでした。

今回の体験が、特に子どもたちにとって、自然に接することができた原体験として、心豊かな人生や輝かしい未来を築いていくきっかけになってくれることを願っています。

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