美味しいもの見聞録㉖
- tokyosalamander
- 2月26日
- 読了時間: 4分
更新日:2月26日
2026年2月25日(水)。今回は福井県の「水羊羹」です。これまでに紹介してきた日光の水羊羹は、観光地ブランドとしても有名ですが、福井県の水羊羹は、県民の文化として定着していることがわかりました。

2月23日に福井駅の駅ビルで購入しました。
右側の江川(240g)は480円、左側の大津屋(210g)は600円でした。
福井では、江川の水羊羹がダントツの一番人気(定番)です。消費期限は2月27日と日持ちはしません。一方、大津屋の水羊羹は、ふるさと納税の返礼品にもなっており、賞味期限は3月31日と長めです。

中は容器に流された水羊羹が真空パックになっており、付属のヘラを使って、自分で切り分けるようになっています。
↓江川の水羊羹

↓大津屋の水羊羹

↓手前が大津屋、奥が江川です。

ともに薄い板状で、見た目の色は明らかに違いがあります。
江川の水羊羹には、黒砂糖が使われており、甘さ控え目です。薄い餡を寒天で固めたようなつるんとした食感で、日光の水羊羹とは全くの別物です。ただし、それが福井の水羊羹の特徴です。水分含有量が60%と多いため、あまり日持ちしません。
大津屋の水羊羹は、黒砂糖が使われておらず、餡が濃い感じなので、日光の水羊羹に近い食感があります。しかし、上品な味わいという点では、かなり差を感じました。大津屋の水羊羹は、ふるさと納税の返礼品にもなっており、賞味期限は長めです。
福井県内では、水羊羹を製造・販売している店が200軒以上あるそうです。福井の水羊羹は県民の「冬のおやつ」として定着しており、県民の消費量は半端ないです。冬季限定販売が主流です。


福井の水羊羹のルーツは、江戸から昭和の時代まで続いた「丁稚奉公」にあるといわれています。関西へ丁稚奉公に出た福井の少年たちが、年末の帰省時に奉公先から練りようかんを持ち帰りました。それに水と寒天を加えて炊き直し、かさを増やして食べたのがはじまり、という説があります。
福井の厳しい寒さが寒天を固めるのに適していたこと、かさ増しした糖度の低い水ようかんは夏場の保存が難しかったことから、福井独自の「冬に食べる水羊羹」という文化が広まっていったと考えられています。
また、福井は日本海側の豪雪地帯であるため、家で過ごす時間が長くなる中、「こたつ+熱いお茶+冷たい水羊羹」という組み合わせが定番化したとされています。
今回、数ある水羊羹の中から購入した、「江川」と「大津屋」。
地元で最も一般的に購入されている大定番の「江川」。一方、日持ちするように試行錯誤を重ね、糖度を上げ(黒砂糖は使用せず)、餡が濃く甘い水羊羹となった「大津屋」、通年販売やふるさと納税の返礼品など全国展開を目指しているようです。期せずして対極するコンセプトの商品でした。
ところで、これまでに美味しい「水羊羹」として、日光の鬼平・綿半・三ツ山・湯沢屋・吉田屋などを紹介してきました。(約350gで900円。ずっしりした重みと厚みがあります)


↑鬼平の水羊羹
日光の水羊羹の特徴は、湧き水と職人技が生む上品な味わいにあります。また、年間を通して製造・販売されており、夏の涼菓としても人気があります。
一方、福井の水羊羹は、冬しか食べられない家庭の「おやつ」です。
同じ水羊羹といっても、作られるようになってきた文化的背景は全然違いました。その結果、食べ方、味わい、値段も違っています。
しかし、どちらが美味しいか、ではなく、どんな場面でどんな風に食べた時に美味しく感じるか、が大切ではないかと思いました。
まさに「水羊羹」は文化そのものです。水羊羹のヌマにハマりそうです。




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