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​身近な風景

群響:エリック・ルー、ワーグナー

  • 執筆者の写真: tokyosalamander
    tokyosalamander
  • 2月26日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月1日

2026年2月21日(土)、第625回群響定期演奏会は、ショパン・コンクール2025覇者、エリック・ルーが登場しました。後半は、壮大なワーグナーの世界が繰り広げられました。

今回のプログラム


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番*

ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》第1幕(演奏会形式/字幕付き)**


指揮/クリスティアン・アルミンク

ピアノ/エリック・ルー*

ソプラノ/渡邊仁美(ジークリンデ)

テノール/片寄 純也(ジークムント)**

バスバリトン/志村 文彦(フンディング)**

共演/広島交響楽団メンバー



演奏会の一番の目玉は、何といっても、2025年のショパン国際ピアノ・コンクールで優勝したエリック・ルーの登場でしょう。エリック・ルーの出演は、シーズン前から決まっていましたが、ショパンコンクールで優勝するや否やチケットの争奪戦となりました。


今回は、職場の同僚しのピーさんと一緒に高崎まで聴きに行きました。しのピーさんは、音楽大学を卒業したピアニストでもあり、かねてからエリック・ルーの演奏に注目していたそうです。


ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番には、弾くのが難しいフレーズが第2楽章にあるらしく、そこをどう弾くかも興味があったようです。以下は、しのピーさんのエリック・ルーの演奏を聴いた感想です。


「エリックさんはまだお若いにもかかわらず、卓越したテクニックは勿論、深い精神性と繊細な音色表現が際立っていました。ベートーヴェンの情熱と内省的な側面が見事に対比され、深く没入いたしました。」


なるほど、エリックさんという呼び方がしっくりきますね。

今回のプログラムは、当初、ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲でしたが、10月のショパンコンクール優勝後に多忙な状態が続き、十分な準備ができないという理由で、急遽12月に、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番に変更になりました。【謹告:曲目変更のお知らせ】群馬交響楽団


正直、ラヴェルの方が聴きたかったですが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の演奏は、やはりショパンの演奏のように抒情的で落ち着いた雰囲気の音楽でした。しのピーさんが注目していた第2楽章の難所も、軽々と弾ききっていたそうです。どこが難所だったのか、私にはわかりませんでしたが‥ ウィーン生まれの指揮者アルミンクさんと群響による丁寧で堅実な伴奏との息もぴったり、安心して聴いていられました。


アルミンクさんは2017年から広島交響楽団の首席客演指揮者を務め、2024年に同楽団の音楽監督に就任しています。2025年9月21日にNHKで放送された「クラシック音楽館」(広島交響楽団 「平和の夕べ」コンサート)でのアルミンクさんの指揮ぶりと広島交響楽団との関係性が魅力的で、いつかこのコンビの演奏を聴いてみたいと思っていました。


多忙でお疲れ気味のエリックさんに寄り添い、優しく見守るような伴奏であったように感じました。エリックさんの卓越した演奏とアルミンク・群響の包容力のある伴奏により、素晴らしい演奏を聴くことができました。


演奏後のブラヴォの掛け声と拍手に応え、アンコールを演奏してくれました。

まるでショパンかと思ったくらい、情感たっぷりなテンポ・ルバート、スローペースでじっくりと弾いてくれました。こういうのが聴きたかったんです。今日は、これだけ聴けたとしても、満足したかもしれません。



休憩後の後半は、ワーグナーの楽劇《ワルキューレ》第1幕(演奏会形式/字幕付き)。


ステージの両側に大きな字幕装置が立っており、ここに日本語のセリフが表示されました。私の座席は31列の28番(1階の後ろから2列目の中央、C席)でしたが、ここからでも、十分に字幕を読み取ることができました。

ワーグナーの楽劇はもちろん、オペラなどを聴くことはほとんどなかったので、とても新鮮な体験でした。特に、3人のソリストの声量と表現力に圧倒されました。字幕があったので、ストーリーも良くわかりました。


ただ、贅沢な話ですが、字幕にばかりに目が行き、文字を読み取るのに精いっぱいになってしまう時もあったので、適当に読み飛ばしておけばよかったと、後から思いました。


「《ワルキューレ》はもちろん悲劇ですが、第1幕は子供の頃に離れ離れになってしまったジークリンデとジークムントが出会い、恋に落ちて束の間の平和を得る幸せな幕なのです。」と指揮者のアルミンクさんは語っています」(コンサートのパンフレットより)。


しかし、字幕によって、セリフの一つ一つが詳らかにされた結果、フンディングの一族と敵対するヴェルズング族の血で血を洗う抗争が、現代の暴力団同士の抗争であるかのように感じてしまいました。


アルミンク・群響は、前半のベートーヴェンとは打って変わって、ワーグナーの荒々しく生々しい音響を作り出していました。むき出しの金管の咆哮は、楽劇に渦巻く様々な感情を暗示していました。アルミンクさんのコントロールの下、壮大なワーグナーの世界が築かれました。3人のソリストの丁々発止の大活躍に感動しました。

曲が終わるや否や、私の隣に座っていたおじさんが、いきなり大きな声で「ブラヴォ」と叫びました。さらに、ワンテンポおいて、私の斜め後ろのおじさんからも「ブラヴィ」の掛け声がかかりました。


ホールの最後列には、コアなファンが陣取っている、という噂を聞いたことがありましたが、今回は偶然にも、その渦中に居合わせてしまいました。しのピーさんによると、男性に対しては「ブラヴォ」、女性には「ブラヴァ」、複数には「ブラヴィ」と使い分けるのが本来の形式だそうです。


↓こちらは、しのピーカメラの映像です。


「ブラヴォ」おじさんと「ブラヴィ」おじさんは、お知り合いらしく、「あれっ、そこにいたの?」という会話をされていました。

カーテンコールでは、アルミンクさんも加わり、大団円のうちに公演は終了しました。

今回は、前半と後半で雰囲気がガラッと変わった盛りだくさんのコンサートでした。もちろん、最大限に楽しむことができました。また、今度はアルミンクさん指揮の広島交響楽団を聴いてみたいと思いました。



 
 
 

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