トウキョウサンショウウオの定点調査(6月)
- tokyosalamander
- 30 分前
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2026年6月13日(土)、佐野高校科学部によるトウキョウサンショウウオの定点調査(6月)を実施しました。2年生2名とその保護者、栃木両生爬虫類の会の中島さんが参加しました。

(写真の掲載については、参加された皆さんの了解をいただいています。以下同様)
前回は5月5日に生息状況調査を実施し、全地点で幼生の生息を確認することができました。しかし、その後も雨不足や真夏日などが観察され、再び水が干上がってしまった産卵地もありました。
近年の気象変動(産卵期の渇水、春先の気温上昇)の影響で、トウキョウサンショウウオの生息環境が急激に悪化することを危惧し、佐野高校科学部が、宇都宮大学農学部の飯郷研究室、栃木両生爬虫類の会の有志メンバーの協力の下、その実態を解明することに挑戦しています。
その方法として、4月に調査した産卵地を継続して1か月ごとに定点調査しています。今回(6月13日)は定点の3回目の調査です。まず、産卵地で幼生を採集し、さらに採取した水から本種の環境DNAを検出することにより、生息状況を確認します。この2つの方法で各産卵地で繁殖が成功しているかどうかを推定します。
例えば、定点調査の当日に水が十分あったとしても、それ以前に干上がっていた時期があれば、幼生が全滅した可能性があります。その場合は、それ以降、幼生も環境DNAも共に検出できない、という結果が想定され、繁殖がうまくいっていないと判断できます。
<調査地1>

この場所は、よほどのことがない限り水が干上がることはありません。幼生は順調に成長しています。

この調査地では、外鰓がほとんど吸収され上陸直前の幼生が5月中から確認されています。
<調査地2>

数日前の大雨で、水路には水が溜まっていました。


しかし、幼生は全く確認できませんでした。
実は、この場所は5月23日(土)に見に行った時、水路は完全に干上がっていました。

(↑5月23日の水路の様子)
それ以降、先日の大雨によって水が溜まるまで、このような状態でした。
トウキョウサンショウウオの幼生はおろか、アカガエルの幼生や他の水生生物の姿も確認できませんでした。単純に、大雨でできた一時的な水たまり状態でした。
<調査地3>


若干の水はありましたが、幼生は確認できませんでした。
実はこの場所も、5月23日(土)の観察では水路が干上がっていました。

(↑5月23日の水路の様子。多少の湿り気はありましたが、その後の晴天続きで完全に干上がってしまったと考えられます。)

PS:季節柄、調査地へと続く道端にはホタルブクロが綺麗に咲いていました。
<調査地4>


やはり数日前の大雨で、水路には水が溜まっていました。しかし、トウキョウサンショウオの幼生はどこを探しても見つかりませんでした。一方、カエルの幼生は確認できました。


栃木両生爬虫類の会の中島さんによると、尾の斑点の付き方などから、シュレーゲルアオガエルの可能性が高いそうです。
この場所も5月23日の時点で完全に干上がっていました。


(↑以上の2枚の写真は、5月23日撮影)
つまり、ここでもトウキョウサンショウウオの幼生は水がなくなったことにより全滅したと考えられます。しかし、シュレーゲルアオガエルは泡の卵塊を土の中に産卵していたため、水が干上がっても生存しており、雨により水が溜まった後、卵塊から出てきたのではないかと推測しました。トウキョウサンショウウオは卵嚢の中に幼生がいる間は、水がなくなってもある程度、生存することは可能ですが、シュレーゲルアオガエルの卵塊にもそのような効果があるのではないかと思います。

PS:この付近では、ネムノキの開花が始まっていました。これも初夏の風物詩です。
恒例のエラポーズで記念撮影。

<調査地5>

この産卵地は民家の裏庭にある小さな池です。裏山からの水が絶えず滴り落ちています。

肉眼でも幼生を確認できました。

網ですくって採集してみると、かなり大きく成長した個体も見つかりました。ここでは順調に生育しているようです。
<調査地6>
この場所は、ため池が泥で埋まっているので足場が悪く調査が難しい地点です。



この池の跡からは、土管で水が流れ出る場所があり、その下流の水路は水で満たされていました。

この水路を探索したところ、かなりの密度で、トウキョウサンショウウオの幼生を確認できました。これまでの調査(4月5日と5月5日)では、この水路での産卵および幼生は確認できなかったので、もしかすると、上の水域から土管の水と一緒に流入してきた可能性があります。
また、上の水域と下の水路でアカガエルとトウキョウサンショウウオの幼生を確認できました。この調査地では水が干上がったことはないと考えられます。

この人工の水路が、トウキョウサンショウウオの繁殖に重要な役割を果たす可能性があります。今後の保全対策として、繁殖にこうした水路を整備することが考えられます。

以上、6か所の定点での調査が終了しました。
6か所中3か所で幼生を確認、
6か所中3か所では確認できず
幼生を確認できなかった3地点はいずれも5月下旬に干上がっていた
という結果でした。
水が確保できていた産卵地では順調に成長していましたが、水が干上がってしまった産卵地では全滅したと考えられます。本種の生息にとって、産卵から変態上陸するまでの水環境の重要性を全員で再認識することができました。
今回、採水したサンプルは校内で濾過し、後日、宇都宮大学の飯郷研究室で、生徒たちが環境DNAを分析する実験を行う予定です。
来月の定点調査は、7月5日(日)です。今回と同様に調査する予定です。環境DNAの解析を含め、研究が上手くいくことを祈っています。

PS:今回の調査は13時頃に終了しました。帰りの車窓から、積乱雲になりつつある雄大積雲が沸き起こっているのが見えました。季節は初夏から夏へと進んでいるようです。




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