トウキョウサンショウウオの定点調査(7月)
- tokyosalamander
- 12 時間前
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2026年7月5日(日)、佐野高校科学部によるトウキョウサンショウウオの定点調査(7月)を実施しました。生徒4名とその保護者、科学部アドバイザーの宇都宮大学農学部の飯郷先生が参加しました。

(写真の掲載については、参加された皆さんの了解をいただいています。以下同様)
前回は6月13日に生息状況調査(6か所の定点調査)を実施し、3か所で幼生を確認するも、3か所では確認できませんでした。幼生を確認できなかった3地点はいずれも5月下旬に繁殖地が干上がっていたため、全滅したのではないかと推測されました。
近年の気象変動(産卵期の渇水、春先の気温上昇)の影響で、トウキョウサンショウウオの生息環境が急激に悪化しています。その実態を解明することに挑戦しています。
その方法として、4月に調査した産卵地を継続して1か月ごとに定点調査しています。今回(7月5日)は定点の4回目の調査です。まず、産卵地で幼生を採集し、さらに採取した水から本種の環境DNAを検出することにより、生息状況を確認します。この2つの方法で各産卵地で繁殖が成功しているかどうかを推定します。
<調査地1>

この場所は、よほどのことがない限り水が干上がることはありません。幼生は順調に成長していました。


この調査地では、外鰓がほとんど吸収され上陸直前の幼生が5月中から確認されています。すでに変態上陸している個体もいるため、確認できる幼生の数は少なくなっていました。

この場所には、たくさんのアリジゴクが見られました。すり鉢状の巣の奥には、ウスバカゲロウの幼虫が潜んでいます。アリたちは、アリジゴクのある場所を避けて移動しているようでした。
<調査地2>
草が繁茂していたため、調査地への入り口がなかなか見つかりません。

草をかき分けると、調査地へと続く道が見つかりました。トトロの住みかへと続く秘密の通路のように。

梅雨の雨で、水路には水が溜まっていました。

しかし、トウキョウサンショウウオの幼生は、確認できませんでした。
この場所は5月23日(土)の時点で、水路は完全に干上がっていました。
前回の調査(6月13日)では、トウキョウサンショウウオの幼生だけでなく、カエルの幼生や他の水生生物の姿も確認できませんでしたが、今回はカエルの幼生を確認しました。


<調査地3>
調査地2のさらに奥に位置しています。最奥部の休耕田の水路跡です。

水はありましたが、トウキョウサンショウウオやカエルの幼生は確認できませんでした。この場所も、5月23日(土)の観察では水路が干上がっていました。
PS:季節柄、調査地へと続く道端にはテングダケが生えていました。


毒キノコの一つで、誤食すると胃腸系の中毒症状や幻覚症状に陥ることがあるそうです。
<調査地4>


水路には水が溜まっていました。6月の調査では、トウキョウサンショウオの幼生はどこを探しても見つかりませんでした。一方、シュレーゲルアオガエルの幼生は確認できました。

今回は、トウキョウサンショウウオの幼生を3個体確認できました。


この場所も5月23日の時点で干上がっていましたが、トウキョウサンショウウオの幼生はわずかな水気のある場所でじっと耐えてきたのかもしれません。
外鰓のある幼生は、時折水面に上がってきて呼吸をすることがありますので、肺呼吸もできていて、水が十分になくても生息できていたのかもしれません。
この発見は、7月調査の最大の収穫でした!

この場所では、毎回、サンショウウオのエラポーズで記念撮影しています。
PS:この付近では、ネムノキの開花が最盛期を迎えていました。

<調査地5>

この産卵地は民家の裏庭にある小さな池です。裏山からの水が絶えず滴り落ちており、通常、水が枯れることはないそうです。


多数の幼生を確認できました。6月調査では、もっと大型の個体もいましたが、それらはすでに変態上陸したものと思われます。

PS:この場所では、ギボウシが元気に咲いていました。
<調査地6>

この場所は、ため池が泥で埋まっていますが、6月調査の時よりも水が溜まっていました。

多数のカエルの幼生がいましたが、探索の結果、ようやくトウキョウサンショウウオの幼生を1個体確認しました。


よく成長している大型の幼生でした。この場所でも繁殖が進んでいることが分かりました。
PS:調査地からの帰り道、飯郷先生が足を止めました。

キノコが円状に生える「フェアリーリング」を見つけました。

これは「菌輪(きんりん)」という不思議な現象であり、「妖精の輪(fairy ring、fairy circle)」と呼ばれています。

菌類は自分を中心にして放射状に菌糸を広げ、その生育に伴って地上にキノコ(子実体)が姿を現します。しかし、時間が経つにつれて古びた中心のキノコから死滅していくことにより、周辺部分のキノコだけが後に残り、リング状の菌輪が出来上がる、という仕組みです。
以上で、6か所の定点での調査が終了しました。
6か所中4か所で幼生を確認、2か所では確認できませんでした。しかし、前回、幼生が確認できなかった1か所で確認することができました。一見、繁殖地が干上がってしまったように見えた場所でも、幼生が生き残っていたことを示すもので、非常に重要な知見が得られました。
今回の調査では、干上がった繁殖地でも一部で幼生の生存が確認されました。一方で、繁殖に失敗したと考えられる場所もあり、産卵期の水環境が個体群の存続に大きく影響していることが改めて示されました。今後も環境DNAによる解析結果と合わせ、トウキョウサンショウウオの生息実態を継続的に追跡していきます。
今回、採取したサンプルは校内で濾過し、夏休み中に、宇都宮大学の飯郷研究室で、環境DNAを分析する実験を行う予定です。
PS:水田や休耕田の土手沿いには、ヤブカンゾウのオレンジ色の花が見られました。ちょうど、7月初旬に咲く風物詩です。

一方、山道へと続く道沿いには、ヤマユリがたくさんの蕾を付けていました。

ヤマユリが大輪の花を咲かせるのは、もう少し先ですが、季節の主役たちが入れ替わる中、トウキョウサンショウウオが着実に成長し、変態上陸できることを願っています。
来月の定点調査は、8月2日(日)を予定しています。




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