トウキョウサンショウウオ生息状況調査2026
- tokyosalamander
- 2 日前
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更新日:8 時間前
2026年4月5日(日)、恒例の「トウキョウサンショウウオ生息状況調査2026」を実施しました。栃木両生爬虫類の会が主催し、毎年4月の第一日曜日に開催しています。

トウキョウサンショウウオは、栃木県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少な動物(両生類)です。この調査は、25年以上前から、栃木県南部のトウキョウサンショウウオの主要な産卵地で産卵数(卵嚢数)を定点調査し、生息環境の変化を見ることを通して、本種の生息状況をモニタリングしています。

今回は、佐野高校科学部員10名に加えて、馬頭高校、宇都宮東高校の生徒、栃木カエル探検隊、宇都宮大学の飯郷先生や栃木両生爬虫類の会の中島さんなど、総勢26名の参加がありました。

今年は記録的に雨が少なく、主要な産卵地に水がほとんど溜まっていない状況が続いていました。下の写真は、県南では最大規模の産卵地の様子です(2026年3月30日)。

4月1・2日、そして調査前日(4日)のまとまった雨で、ある程度、水が溜まってきました。はたして、産卵は行われたのでしょうか。
最初は、土地所有者・佐野高校科学部・栃木両生爬虫類の会が連携して整備・管理している産卵場での調査です。この産卵場も数日前の雨で、ようやく水路全域に水が溜まってきました。


この場所では、トウキョウサンショウウオの卵嚢を40個確認できました。本種は1匹のメスは1対の卵嚢(2卵嚢)を産みますが、この調査では、対の数ではなく、一つ一つの卵嚢の数(卵嚢数)をカウントしています。
他にもニホンアカガエルの卵塊も複数見られました。多くは数日前の雨が引き金となって産卵が行われたと考えられます。確認した卵嚢数は昨年の半数程度ですが、今後、増える可能性はあります。

ここからさらに奥地にある用水池では、アズマヒキガエルの卵紐(ひも状の卵)が多数確認できました。

ここ数年、数が減ってきたことを心配していましたが、かなりの量がありました。

この池の上流にある産卵地での調査です。ここでは43卵嚢を確認できました。去年の約1.5倍の卵嚢数でした。「里山こども園」の子どもたちも調査に加わりました。

さて、次はいよいよ1週間前に水が全くなかった産卵場での調査です。数日前の雨でどうなっているでしょうか。

(2026年3月30日)
どうやら、水は溜まっていました。

人海戦術で卵嚢を探索すると、産卵直後のまだ膨らんでいない卵嚢を確認しました。おそらく、昨晩産卵されたものもたくさんありました。(ギリギリで調査に間に合いました!)
また、成体(オス)も13個体見つかりました。例年、これだけの成体を確認することはありません。おそらく、今後、出現するメスを出待ちしているオスたちなのでしょう。
一匹だけ、小さな個体がいましたが、この場所で越冬していたのか、数日前の降雨で出現した上陸個体なのかは不明です。

今回確認した卵嚢数は昨年の4割程度(128卵嚢)でしたが、今後、産卵数が増加する可能性は高いです。

恒例の記念写真です。三本指はトウキョウサンショウウオの外鰓ポーズです。
ここまでで午前中の調査は終了です。時計の針はすでに13時を回っていました。
桜吹雪の舞う公園で、思い思いに昼食を取りました。


午後の最初の調査は、民家の裏庭にある小さな池です。裏山の岩の裂け目を伝って、水が染み出ている場所です。

ここでは18卵嚢を確認しました。例年より少なめでした。この場所は水が枯れることはありませんので、数日前の雨の後に産卵したものは少なかったです。

そして、ようやく最後の調査地にやって来ました。下の写真は、かつては水深70cm程度の池だったそうです。現在はご覧の通り、泥で埋まっている状況です。足場に気を使いながら、卵嚢の探索を進めました。ここ数年、卵嚢は数個程度しか発見できていない地点です。

この池の跡に加えて、上流部(水流)や下流部(湿地)を懸命に探索しました。

これだけの人数が(危険を顧みず)、高いモチベーションで探索した結果、35卵嚢を確認することができました。数日前の降雨によってできた、水がある場所に沿って、多くの卵嚢が見つかりました。広大な場所での探索では、産卵していそうな場所をピンポイントで探していくことが重要ですが、今回はそれが上手くいった可能性があります。

死卵がほとんどない、状態の良い卵嚢でしたので、今後、うまく成長してくれることを願いました。
最後に、今日の調査結果を共有し、一人一人感想を述べあいました。

また、今回はこの土地の所有者も調査に参加してくださり、子供のころと比べて、いかに環境が大きく変化したかを教えてくださいました。
トウキョウサンショウウオの卵嚢数は今日一日の調査で、合計292個を確認しました。昨年の半数以下でしたが、雨不足のせいで調査日の直前に産卵が始まった地点もあり、途中経過的な卵嚢数と考えられます。
今回は、両生類の繁殖がその年の気象状況に大きく左右される現状を実感しました。また、産卵された卵が孵化・成長し、無事に変態上陸できるかを見届けることが今後の課題となることも感じました。
そして、最後の最後に、恒例の記念写真を撮影しました。

参加してくれた皆さん、満足そうな笑顔を見せてくれました。




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